簗和生農林水産大臣が、衆議院選挙で自身を応援しなかった首長がいる自治体の道路予算を削減したところの発言をしたとして、波紋が広がっています。本人は発言の事実を認めつつも、予算削減への働きかけは否定し、「誤解を招いた」と釈明しています。
どのような経緯でこの発言が表面化し、当事者や周囲がどのように反応しているのか、報道された情報を整理して解説します。
問題となった発言の内容と経緯
騒動の発端となったのは、今年5月に自民党支部の地元会合で行われたとされる発言です。週刊新潮などの報道によると、簗氏はこの会合で「那須烏山市と那珂川町の2026年度の道路予算は大幅にカットした」と述べたとされています。
さらに、党要職である筆頭副幹事長の立場であれば「こんなことできる」と、自身の権限を示唆するような発言をしたとも報じられています。対象となった那須烏山市と那珂川町の首長は、栃木3区の衆院選において、簗氏が敗れた相手候補を支援していたといいます。
これについて簗氏は2日の記者会見で、「(週刊誌の)報道で書かれているので、そういう発言をしたのだと思う」と述べ、発言したこと自体は認めました。
簗農相による釈明と主張
発言を認めた一方で、簗氏は実際に予算削減を主導したわけではないと主張しています。2日の会見では、以下のように釈明しました。
「私が行政に働きかけをして予算が減ったと。それが事実ではないのにもかかわらず、そのような趣旨に伝わってしまった部分が誤解を招いたということ」
簗氏の説明によれば、すでに決まっていた予算について国土交通省に問い合わせ、そこで得た数字を懇親会で報告しただけであるとしており、国交省への予算削減の働きかけは否定しています。
また、会合での発言について、「那須烏山市については前年度の64%減、3分の1にしました」と具体的な数字を挙げ、「これくらいのことはやらないとですね、真面目にやっている人たちが浮かばれないんですよ。党の組織の統制が取れなくなるんですよ」と述べたことも報じられています。
予算状況と自治体・周囲の反応
簗氏が言及した予算の減少については、自治体側も認めています。那須烏山市と那珂川町によると、国の社会資本整備総合交付金(道路部分)について、那須烏山市は2026年度に約2426万円で前年度比63%減、那珂川町は約2262万円で前年度比54%減となっていたといいます。
この状況を受けて、那須烏山市の人々からは厳しい声が上がっています。ある住民は「自分本位のことしかやってないのかなというのが第一印象」と述べ、別の住民は、過疎地域に指定されている地域で予算が大幅にカットされることは死活問題であるとし、「非常に不適切というか、はっきり言って、政治家としての資質に欠けるんじゃないかと感じる」と批判しています。
また、政治的な立場からの批判も出ています。公明党の岡本三成代表は、「自分が好きか嫌いで税金の配分を考える国会議員は多分いない」と述べ、この発言を問題視しています。
今後の焦点と大臣の対応
簗氏は、農相としての会見では「大臣就任前の活動についてはコメントを控える」と繰り返し、3日に熊本県宇城市を訪れた際も、記者団から見解を問われると「「個人としての政治活動については控える」」として説明を避けました。
一方で、一議員として開いた会見では発言を認めていますが、農相としての辞任は否定しています。
与党内からも「説明が不十分だ」という見方が出ており、行政の公平性をゆがめる恐れがある発言として、今後の臨時国会で野党による追及が強まる可能性があると報じられています。
また、簗氏は自民党派閥の裏金問題を巡り、多額の不記載で党から処分を受けていた経緯もあり、任命責任を問う声も上がっています。
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