玩具販売大手の「トイザらス」が、年内にも日本の店舗運営から撤退する方針であることが報じられました。国内に展開する約150店舗を、ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が引き継ぐ見通しです。
複数の報道によると、PPIHは国内店舗を運営する「日本トイザらス(川崎市)」の親会社である「トイザらス・アジア」から、店舗網や従業員の雇用を含む国内事業を取得するとしています。取得額は100億円規模に上る可能性があるとみられています。
トイザらス日本事業の歩みと現状
日本におけるトイザらスの1号店は1991年にオープンしました。親会社となる米国のトイザらスは1948年に創業しましたが、2017年に経営破綻しています。その後、日本では日本トイザらスが事業を継続してきましたが、経営環境は厳しさを増していました。
日本トイザらスは直近まで8期連続で最終赤字が続いていたと報じられています。同社は現在、「トイザらス」とベビー用品専門店の「ベビーザらス」を合わせて国内に約150店舗を展開しており、アルバイトを含めた従業員数は約6,000人にのぼります。
事業撤退の背景にある構造的な逆風
専門店の経営環境が悪化した要因として、主に以下の点が挙げられています。
まず、長期的なトレンドである「少子化」による市場縮小の影響です。特に郊外を中心に展開する専門店の形態は、厳しい状況にさらされてきました。また、家電量販店が玩具販売を強化したことや、インターネット通販の台頭といった競争激化が業績を圧迫したとみられています。
小売・流通業界全体としても、消費者の行動が変化しています。以前のように店舗を歩いて偶然商品を見つける「非計画購買」が減少し、事前に検索して欲しいものを絞り込む「目的買い」へと移行している構造的な変化が指摘されています。
一方で、玩具市場全体が縮小しているわけではありません。2025年度の玩具市場規模調査(上代価格ベース)によると、主要10分野の合計は前年度比107.3%の7,967億円と過去最高を更新しています。特にトレーディングカードなどの分野は、2017年以降8年連続で拡大しており、市場全体の約3割を占めるまでになっています。
ドン・キホーテ側が期待する相乗効果
買い手となるPPIHは、ディスカウント業態を主力に国内外で店舗網を拡大させてきた企業です。今回の買収により、玩具やベビー用品という専門性の高い商材を取り込むことで、集客力の強化やプライベートブランド戦略との相乗効果が得られるとの見方があります。
また、玩具だけでなくベビー用品も扱うことで、これまで接点が少なかったファミリー層との接点を構築できる点もメリットになると考えられています。
ドン・キホーテは「非計画購買(ついで買い・衝動買い)」を誘発する仕掛けづくりに長けた企業です。トイザらスの広大な売り場に、ドン・キホーテ流のエンターテインメント性の高い運営手法が注入されることで、店舗がどのように再構築されるのかが注目されます。
今後の店舗戦略については、既存の「トイザらス」ブランドを維持するのか、あるいは「MEGAドン・キホーテ」などの新業態へリニューアルするのかなど、詳細な運営方針について注目が集まっています。
なお、本件についてPPIHは取材に対し「回答できない」としています。正式な契約締結や当局への届け出などの手続きを経て、詳細が明らかになる見通しです。
出典 共同通信 日本経済新聞 読売新聞オンライン 新潟日報 山形新聞 北海道新聞 トイザらス、日本撤退へ ドンキ運営のPPIHが事業買収、取得額100億円規模 — BigGo ファイナンス ドンキ トイザらス日本事業買収へ トイザらス、日本事業撤退 ドンキ買収、国内150店
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