茂木敏充外相は10月1日、イランのアラグチ外相と電話協議を行いました。この協議の中で茂木氏は、イランがホルムズ海峡において「サービス料」の徴収を検討している動きを念頭に、「今後のホルムズ海峡のあり方については国際社会全体で議論することが重要だ」と強調し、イラン側に建設的な対応を強く求めたと報じられています。
繰り返される日イラン外相間の協議
茂木外相とアラグチ外相による電話協議は、断続的に行われています。今回の協議は、2月に米国による攻撃が行われた後で10回目にあたります。また、米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まってからは、これまでに6回、あるいは米国による攻撃後9回といった回数で協議が重ねられてきたと複数の報道にあります。
協議の中でアラグチ外相からは、米国側との協議状況やイラン側の立場について説明がありました。両氏は外交的解決に向けて緊密に意思疎通を続けていくことを確認しています。
ホルムズ海峡を巡る緊張と日本の懸念
今回議論の焦点となったホルムズ海峡は、原油輸送の要衝であり、日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要な海域です。
これまでの協議において、茂木外相は一貫して海峡の安定航行を求めてきました。例えば9月8日の電話会談では、同海峡でイランによる民間船舶への攻撃が続いていることに懸念を示し、自制を強く求めています。その際、追加的な費用が徴収されない形での安定航行の実現が重要であり、関係国との協議が不可欠であるとの立場を強調しました。
また、別の協議では「ホルムズ海峡における追加的費用のない形での自由で安全な航行が一刻も早く回復されることが重要だ」と説明したほか、ペルシャ湾に残るすべての船舶の通過が実現するよう働きかけたことも報じられています。
中東情勢の複雑化と背景
今回の電話協議の背景には、米国とイランの激しい対立と、それに伴う軍事的な応酬があります。
報道によれば、米国とイランの間ではホルムズ海峡を巡って衝突が続いてきました。一時期は攻撃が停止していたものの、依然として緊張状態にあり、米イラン戦闘が半年続いた中でも「封鎖」状態にあるホルムズ海峡の収束の兆しは見えないとされています。また、トランプ氏は「近く非常に大きなこと起こる」として、イランへの攻撃再開を示唆していると報じられています。
さらに、事態は海峡周辺だけに留まらず、周辺国を含めて被害が拡大している状況にあります。茂木外相は、米国とイランの攻撃の応酬に「深い懸念」を表明し、事態の早期沈静化に向けてイラン側に「最大限の柔軟性」を求めてきました。また、サウジアラビアのタンカーを攻撃しているフーシに対し、イランから強く自制を働きかけるよう要請したこともあります。
その他の懸念事項と今後の見通し
日イラン間の協議では、安全保障上の問題以外にも個別の懸念事項が話し合われています。茂木外相は、1月に拘束され、4月に保釈されたNHKのテヘラン支局長とみられる日本人1人について、問題の早期解決を要請しています。
世界経済にとっても、大国の思惑が絡み合う中東情勢の混迷は大きな重しとなっており、供給不安が続く状況にあります。日本としては、米イラン間の交渉が停滞する中で、外交的な解決に向けた柔軟な対応と、国際社会を巻き込んだ議論による海峡の安定化を目指しているものとみられます。
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