韓国と北朝鮮の軍事境界線付近で発生した地雷爆発事故を巡り、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)氏が関与を否定する談話を発表しました。韓国側が北朝鮮の関与を強く示唆したことに対し、金与正氏は「自作自演だ」と激しく反発し、今後の対抗措置について警告しています。
地雷爆発事故の経緯と韓国側の調査結果
今回の騒動の発端となったのは、2026年9月21日に発生した地雷爆発事故です。事故は、韓国と北朝鮮の軍事境界線付近に設けられている非武装地帯(DMZ)の南側で起きました。この爆発により、韓国軍の兵士(あるいは幹部)3人が重軽傷を負ったと報じられています。
事故後、韓国軍は現地調査を行い、9月28日に中間調査結果を発表しました。その中で、爆発した地雷は「北朝鮮が埋めた地雷である可能性が非常に高い」としています。また、韓国軍合同参謀本部は、最終的に北朝鮮の関与が確定した場合には「相応の措置」を取ると強調しました。
さらに、韓国軍とともに現地調査を実施した国連軍司令部は30日、軍事境界線の韓国側で北朝鮮の対人地雷1発を発見したと発表しました。これにより、休戦協定違反が発生したと断定しています。韓国の国防相も、北朝鮮が地雷を「埋設」したとして、休戦協定違反は明白であるとの見解を示しています。
金与正氏による関与否定と反論
こうした韓国側の発表に対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹であり、朝鮮労働党総務部長を務める金与正氏が、29日付の談話で反論しました。この内容は30日に朝鮮中央通信などを通じて伝えられています。
金与正氏は談話の中で、今回の事故への関与を全面的に否定し、韓国側の主張について「明白な自作自演だ」と非難しました。また、「我々と無理やり結びつけ、それを口実に緊張を高めた」と述べ、韓国側が政治的・軍事的な挑発を正当化するための大義名分を作り出そうとしていると訴えています。
さらに、北朝鮮側の正当性を主張し、「わが軍人は一度も国境線を越えたことはない」とした上で、今回の韓国側の発表そのものが「明白に挑発だ」と断じました。
今後の見通しと緊張状態への影響
金与正氏は、韓国側の行動を「憂慮すべき敵対行為」とし、「ただ見ているだけではない」として対抗措置をとる可能性を示唆しています。
特に、北朝鮮は軍事境界線を「国境」と位置づけており、金与正氏は「国境」を守る部隊が韓国軍への反撃手段を増強する措置を取ると宣言しました。その上で、「韓国軍のごろつきが我が軍人に対して射撃をするなら、我が国境部隊は即座に容赦ない報復を加える」と強く警告しています。また、「全責任は挑発を企図した当事者らが負うことになるだろう」と韓国側をけん制しました。
一方で、韓国政府側は、調査結果に応じた措置を検討しつつも、慎重な姿勢を見せていると報じられています。李大統領は、地雷爆発事故の徹底調査を指示し、「陰謀論」をけん制する動きを見せています。
今回の事態で注目すべき点として、金与正氏の談話が北朝鮮住民向けの労働新聞や朝鮮中央放送などでは報じられなかったことが挙げられます。
南北両軍が睨み合う軍事境界線付近での地雷爆発という、極めてセンシティブな事案に対し、双方が互いに挑発であると主張し合う構図となっており、地域の緊張状態が一段と高まることが懸念されます。
出典 読売新聞オンライン 日テレNEWS 毎日新聞 南北軍事境界線近くでの地雷爆発、北朝鮮が関与を否定…金与正氏「我々と無理やり結びつけ」 地雷爆発は「韓国の自作自演」 金与正氏が北朝鮮関与を否定(聯合ニュース)
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