ノルウェーのノーベル賞委員会は2026年10月9日、今年のノーベル平和賞を南アフリカ共和国出身のナビ・ピレイさんに授与すると発表しました。ピレイさんは元国連人権高等弁務官であり、国際法に基づく法の支配の実現に貢献したことが高く評価されています。
授賞理由と評価された取り組み
ノーベル委員会は、今回の選考理由について「平和と国際法の促進に向けた取り組み」および「平和と国際法の推進への尽力」としています。
具体的には、戦争犯罪や人道に対する罪、そしてジェノサイド(大量虐殺)の訴追を確実なものにするうえで、ピレイさんが重要な役割を果たしてきたことが評価の対象となりました。
また、CNNの報道によれば、委員会はピレイさんが法律の分野で示してきた「並外れた勇気と誠実さ」や「平和と国際法の推進への取り組み」を称賛しています。あわせて、普遍的な法原則を守る姿勢や確固たる倫理観が、長いキャリアを通じてぶれることがなかったとも指摘されました。
ノーベル賞委員会のフリードネス委員長は、ピレイさんが国際刑事裁判所(ICC)の判事を務めた際について、「法的手段が戦争行為や暴力の防止に役立つことを示した」と説明しており、国際法を支える制度の強化にも貢献したと評価しています。そのうえで、国家や国の指導者の責任を追及し、暴力や紛争の被害者に希望をもたらしたこと、またあらゆる役職で法の支配を順守する個人や国家の責任を強調してきたことをたたえています。
ナビ・ピレイさんの経歴と活動
ナビ・ピレイさんは1941年、当時のアパルトヘイト(人種隔離政策)体制下の南アフリカにあるダーバンで生まれました。弁護士として活動し、人種隔離政策という過酷な環境の中で人権擁護に取り組んできた経歴を持ちます。
その後のキャリアにおいて、ピレイさんは国際的な司法および人権の枠組みで数多くの要職を歴任しています。
まず司法の分野では、2003年から9年以上にわたってICC(国際刑事裁判所)で判事として活動したほか、ルワンダ国際刑事裁判所の裁判官なども務めました。
人権擁護の分野では、2008年から2014年まで国連人権高等弁務官という重要なポストに就き、世界各地で発生している人権侵害や差別の問題に積極的に取り組んできました。また、最近までパレスチナ被占領地域に関する国連独立国際調査委員会の委員長を務めていたことも報じられています。
現在も、ピレイさんは国際司法裁判所(ICJ)において、ミャンマーがジェノサイドの罪に問われている裁判で裁判官を務めています。
国際社会における意義
今回の受賞は、単に個人の功績をたたえるだけでなく、国際法という枠組みが現実の紛争や暴力の抑止にどう寄与できるかという点に光を当てたものといえます。NHKの報道では、選考委員会委員長が「法的措置が戦争防ぐ一助になると示した」と言及しており、法の支配による平和の追求という方向性が示されました。
南アフリカ出身の法学者であり、人権活動家としても知られるピレイさんが歩んできた道は、アパルトヘイトという自国の不公正な体制への対抗から始まり、やがて国連や国際裁判所といった地球規模の司法制度へと広がっていきました。
このように、一国家の枠を超えて「普遍的な法原則」を追求し、国家権力による暴力を法的に追及し続けた姿勢が、混迷する現代の国際情勢において再び重要な意味を持つと判断されたと考えられます。
出典 テレビ朝日 日本経済新聞 NHK CNN フジテレビ 東日本放送 2026年のノーベル平和賞、ナビ・ピレイ氏に授与 – 2026年10月09日18:24|為替ニュース|みんかぶ FX/為替
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