ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、米ニューヨークで開催された国連総会の一般討論演説において、ロシアに軍事協力する北朝鮮の脅威が増大していると警告しました。特に、北朝鮮の弾道ミサイルが改良されている点に触れ、アジア諸国を含む国際社会に注意を呼びかけています。
北朝鮮の技術向上とロシアとの軍事協力
ゼレンスキーさんは演説の中で、「アジア諸国は北朝鮮の弾道ミサイルが改良され、優れた無人機技術を有していることに気付いたはずだ」と述べました。これは、北朝鮮がロシアへの派兵などの軍事協力を行う見返りとして、ロシアから技術提供を受けているためだと指摘しています。
ウクライナ側の分析によれば、北朝鮮は3万〜5万人の兵士をロシアに派遣したとみられています。ゼレンスキーさんは、北朝鮮の指導者が兵士を「貨幣のように使い」見返りを得ていると批判しており、こうした協力関係が北朝鮮の防衛能力、特に弾道ミサイルや無人機分野の能力を大幅に向上させた可能性があると述べています。
また、NHKの単独インタビューに応じた際にも、北朝鮮が数万人規模の兵力をロシアでの戦闘に参加させたとの見方を示し、「現代戦を学んでおり、その経験を安い値段で得た」と指摘しました。
戦場での実態と捕虜の移送
ロシアと北朝鮮の軍事関係の深化は、実際の戦場でも影響を及ぼしているとみられます。ゼレンスキーさんは11日のビデオ演説で、ロシアが北朝鮮製のミサイルを使用してウクライナを攻撃したと非難しました。具体的に、南部ザポリッジャへの攻撃に北朝鮮の弾道ミサイルが使用されたと発表しており、この攻撃で7人が殺害され、少なくとも24人が負傷したと報じられています。
また、北朝鮮兵の捕虜に関する具体的な動きも明らかにされました。ゼレンスキーさんは、ロシアに派遣されウクライナ軍の捕虜となった北朝鮮兵2人を先ごろ韓国に移送したことを発表しました。
この2人は昨年1月にロシア西部クルスク州で拘束されたとされる人物で、韓国の脱北者団体に宛てた手紙などで韓国への亡命意思を示していたと報じられています。ゼレンスキーさんは、このうち1人が捕虜になると分かった際に自ら命を絶とうとしたことに触れ、「(北朝鮮は)彼らの自由と選択の権利を奪っている」と批判しました。
「国境を越える戦争」への危機感
ゼレンスキーさんは、今回の戦争が単なる二国間の衝突ではなく、広範な国際的問題になっていることを強調しています。ロシアがウラジーミル・プーチン大統領のもと、自国の統治に専念せず、「より多くの人を殺し、領土を奪い、別の国を手に入れるのを助けてくれる者を常に探している」と述べ、ロシアがガーナ、ネパール、インドなど47か国の国民を戦争に利用していることを把握していると指摘しました。
さらに、戦争が長期化することで兵器開発が加速し、その影響が世界中に波及することへの強い危機感を示しています。特にAI(人工知能)の発展について言及し、早ければ来年にもAIが戦場の判断を担い始める可能性があると述べ、その段階に至る前に戦争を終わらせる必要があると訴えました。
ゼレンスキーさんは、ロシア側が事実上「拒否」の姿勢にあるとされる「エネルギー停戦」などの提案とともに、米国に仲介や防空能力の強化を期待する考えを示しています。
出典 読売新聞オンライン AFPBB News NHK BBC 北朝鮮と露の軍事協力、47か国の国民――「戦争は国境を越えている」 ゼレンスキー氏が国連で訴え(堀潤) – エキスパート ウクライナの北朝鮮兵捕虜を「韓国に移送」 ゼレンスキー大統領 | 聯合ニュース キエフがミサイル攻撃を受ける。ゼレンスキー大統領は米国に緊急メッセージを送る。 日テレNEWS ゼレンスキー氏、北朝鮮とロシアの軍事協力が兵器と無人機能力を高めた可能性を指摘した | ウクライナニュース – #Mezha
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