フランスのベルサイユで開催された国際度量衡総会は、2026年10月15日、時刻の調整に用いられてきた「うるう秒」を実質的に廃止することを決定しました。これに代わる新しい仕組みとして、世界標準時と地球の自転に基づく時刻とのずれを最大1時間(3600秒)まで許容する「うるう時」を、2027年5月20日から導入する方針です。
「うるう秒」が抱えていた課題
これまで、時刻の国際基準である「協定世界時(UTC)」は、極めて精度の高い原子時計を基にしています。高精度な原子時計は数億年で1秒程度しかずれない一方で、地球の自転速度はわずかに変動するため、両者の間に時間のずれが生じていました。
このずれが0.9秒を超えそうになった際、数年ごとの6月末または12月末に1秒を加えて調整するのが、1972年の導入以来続けてきた「うるう秒」の仕組みです。これまでに計27回、うるう秒が加えられてきました。
しかし、インターネットの普及や高度な情報化社会の進展に伴い、この「うるう秒」が原因となる通信障害などのリスクが懸念されるようになっていました。また、近年では地球の自転が速まる傾向にあり、過去には例がない「うるう秒を引く」という事態が起こる可能性も指摘されていました。こうしたシステムの混乱を回避することが、今回の見直しの大きな背景となっています。
新たな仕組み「うるう時」の導入と影響
新たに採択された決議では、時刻のずれの許容範囲を従来の0.9秒から1時間へと大幅に広げます。この「うるう時」とも言える仕組みを導入することで、今後少なくとも数百年は、頻繁な時刻調整を行う必要がなくなる見通しです。
この変更により、通信ネットワークや金融取引などのシステムにおける安定性が向上することが期待されています。また、調整に伴うトラブル発生のリスクを低減させることにもつながるとされています。
今後の展望と「秒」の再定義
今回の総会では、将来的な技術革新を見据えた議論も進められています。現在は原子時計が基準となっていますが、今後は東京大学の香取秀俊教授が考案した、極めて高精度な「光格子時計」などの光時計を用いる「秒」の再定義についても議論が続けられる予定です。
総会では、2030年の秒の再定義の提案に向けて、引き続き合意形成をめざすことも決議されました。また、月探査において必要となる共通の時刻基準についても、国際的な協力を進めていく方針が確認されています。
今回の決定は、2022年の前回総会で示されていた「2035年までに廃止する方針」を具体化させる形となりました。
出典 「うるう秒」来年5月20日廃止を決定…国際度量衡総会、時刻のずれを最大1時間まで許容する「うるう時」導入へ : 読売新聞オンライン うるう秒廃止、来年5月から「うるう時」導入を決議 国際度量衡総会:朝日新聞 【速報】国際度量衡総会が「うるう時間」導入決定|47NEWS(よんななニュース) 「うるう秒」実質廃止決定=国際度量衡総会|Infoseekニュース 国際度量衡総会が「うるう時間」導入決定(共同通信)|dメニューニュース(NTTドコモ) 「うるう秒」実質廃止決定=ずれ1時間まで許容―国際度量衡総会|Infoseekニュース うるう秒、来年5月に廃止 国際度量衡総会で決定 通信網や情報システムの障害防止へ|Infoseekニュース
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