スズキは10月6日、同社初となる軽乗用電気自動車(EV)「e SKY(eスカイ)」を11月16日に発売すると発表しました。販売価格は税込み212万円からとなっており、国内で販売される軽EVの中では最安になると報じられています。
今回の発表により、軽自動車市場で高いシェアを持つスズキが本格的に軽EV市場へ参入することになります。
「国内最安」を目指した価格戦略と補助金の影響
「e SKY」の価格ラインアップは、受注生産となる「A」が212万円、「G」が239万円、そして「X」が279万円(いずれも税込)の3グレードで展開されます。実質的な販売の中心は「G」および「X」になるとみられています。
この価格設定について、国内の営業をとりまとめる玉越義猛常務は「相当頑張った」と述べています。さらに、国の補助金56万8千円が適用された場合、実質価格は約155万円からとなり、非常に競争力の高い価格帯での提供を目指していることが伺えます。
ただし、玉越常務は補助金について「補助金でやっぱり気になるのは、どれだけの期間補助していただけるのか。これによってEVの売れ行きは変わると思う」とも言及しており、公的支援の継続性が普及の鍵になるという見方を示しています。
開発の背景と「Easy to Switch」というコンセプト
スズキは昨年の軽自動車国内販売シェアで34%と首位に立っていますが、EV分野では他社に出遅れていたと報じられています。そんな中で開発された「e SKY」の商品コンセプトは「Easy to Switch」です。ガソリン車から違和感なく乗り換えられる使いやすさと、EVならではの静粛性やスムーズな加速性能の両立を目指して開発されました。
開発責任者の津幡和幸さんは、開発時の困難さについて振り返っています。既存車種をベースとしないEV開発において、ターゲットとなる人々から意見を集める際、「EVに乗ったことがあるか、EVのイメージはどういうものかなど、もっともベーシックなところから始めなければならなかった」と述べています。また、当時は「私が買うクルマではない、EVは私の生活には必要ないし、そもそもスズキにはないでしょうと情報が集まりにくかった」という状況があったことも明かしています。
津幡さんは、この一台を「時代に残る1台」にしたいという責任感を持っており、「アルトでさえ最初はそこまで売れると思わずに開発し、ユーザーの声を聞いて改良を加えて、売れました。それと同じようなムーブメントを作らないといけない」と考えているとのことです。また、2026年から27年は「軽EV元年になる可能性がある」とし、なんとかタイミングを合わせて市場に投入したとしています。
技術的特徴と日常的な使い勝手の追求
「e SKY」は、EV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」や油冷方式の「eAxle」を採用しています。これにより、一充電走行距離310kmを実現し、WLTCモード交流電力量消費率97Wh/kmという、2026年10月時点でのスズキ調べによる軽EVクラストップの電費を達成しました。
また、日常使いの利便性を高めるため、以下のような装備が導入されています。
- 最小回転半径4.4mという優れた取り回し性能の確保
- スズキ初の「つながるナビ」の採用(バッテリー残量に応じたルート案内や充電スタンドの提案に対応)
- 国内初となる10.1インチディスプレイオーディオの搭載
- 「デュアルセンサブレーキサポートII」などの予防安全技術の搭載
- ガソリン車からの乗り換え時に違和感のないブレーキ操作を実現する電動ブレーキブースターなどの採用
車格としては、ワゴンRと同ジャンルのハイトワゴンに相当し、後席ドアはヒンジ式となっています。
充電インフラへの取り組みと今後の目標
スズキは、月間販売目標台数を1000台としています。まずは既存の軽自動車オーナーに対し、ガソリン車からEVへの乗り換えを訴求する方針です。
鈴木俊宏社長は、販売店での丁寧な説明を通じてEVを理解してもらいながら販売台数を伸ばしていきたいと述べています。あわせて、ユーザーの不安を払拭するための充電インフラ拡充にも注力します。軽ユーザーの1日あたりの走行距離は20km程度であることから自宅充電がメインになるとの見通しですが、ディーラーへの急速充電器設置を積極的に進める計画です。具体的には、2026年末までに全国の店舗250箇所に設置し、2030年までには全国店舗の半数にあたる約500箇所まで拡大することを目指しています。
環境への配慮として、植物由来樹脂材料や100%リサイクル可能な「モノマテリアル・フロアマット」が採用されている点も特徴の一つです。
出典 福井新聞 読売新聞オンライン スズキ、価格212万円からの新型EV「e SKY」11月16日発売 油冷「eAxle」など採用で航続距離310km – Car Watch 価格.com – スズキ初の軽乗用EV『eスカイ』は212万円から、航続310km 11月6日発売へ 画像・写真 | 価格は212万円から! スズキが新型軽乗用EV『eスカイ』発売 ワゴンRと同ジャンルのハイトワゴン 日常使いにちょうどいい身近な存在を目指す | AUTOCAR JAPAN スズキ初の軽EV『eスカイ』発売へ、その使命とは…開発責任者「アルトのように“時代に残る”1台に」 | レスポンス(Response.jp) スズキ『eスカイ』投入、鈴木社長「EVのある日常生活」をアピール[新聞ウォッチ](レスポンス) 【スズキ eスカイ】212万円からの価格「相当頑張った」、補助金58万円支給も「バランスが必要」 | レスポンス(Response.jp) スズキ初の軽乗用EV「e SKY」が11月16日に発売!航続距離310kmで税込212万円から | Motor Fan|自動車情報のモーターファン BYDより安い、スズキが超低価格EVを発売へ=韓国ネット「現実的な戦略」「性能気になる」(レコードチャイナ)|dメニューニュース(NTTドコモ)
ピックアップ記事



