京都市が、市営バスの運賃に市民と市民以外で差をつける「市民優先価格」を導入する方針を明らかにしました。来年度中の運用開始を目指しており、公共交通にこのような二重価格を適用するのは全国で初めてになると報じられています。
運賃はどう変わるのか
京都市の松井孝治市長は10月1日の市議会本会議にて、均一区間の大人運賃について、市民以外の運賃を現行の230円から360円とする意向を示しました。
一方で、京都市民の運賃は200円に引き下げられる見通しです。これにより、市民以外の乗客の運賃は市民の1.8倍という設定になります。
市によると、人件費や物価の上昇に伴い、本来であれば運賃を260円まで値上げする必要があるとしています。しかし、市民の運賃を現行よりも安く設定し、その値下げによって生じる減収分を市民以外の運賃を高く設定することで補う仕組みとしています。
導入の背景と狙い
今回の施策の背景には、深刻なオーバーツーリズム(観光公害)への対策があります。
京都市内では、観光客の増加に伴い一部のバス路線で混雑が発生しており、日常的にバスを利用する市民から不満の声が上がっていたとされています。市は、市民向けの運賃を値下げすることで、観光客がもたらす恩恵を市民が実感できるようにし、観光客との共存に向けた機運を醸成したい考えです。
また、市外から通学や通院などで頻繁に利用している乗客に対しては、ポイント還元などを通じて負担を軽減することも検討していると報じられています。
市内における「二重価格」の広がり
こうした価格設定の差別化は、バスだけでなく他の観光施設でも検討されています。世界遺産の二条城においても「二重価格」が導入される見通しで、入城料が市民以外は市民の倍になるとされています。
この二条城の料金設定について、松井さんは「旅行者の方に趣旨を説明して、貴重な文化財の継承につながるということを伝えていきたい」とコメントしています。
観光客の増加による混雑緩和と、住民の生活環境の維持、そして文化財の保存という課題に対し、京都市は利用者によって価格を変えるという手法で対応しようとしています。
出典 京都新聞 日テレNEWS 下野新聞 北海道新聞 佐賀新聞 共同通信
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