アメリカンフットボールの国内トップリーグである「Xリーグプレミア」において、試合当日になって試合が中止されるという異例の事態が発生しました。
9月13日に海老名運動公園陸上競技場で行われる予定だった第6節、富士フイルム海老名ミネルヴァAFC対オービックシーガルズの一戦ですが、選手がプレーすることなく中止となったと報じられています。リーグは、富士フイルム海老名が公式戦に参加しなかったとして、後に試合を没収し、オービックの1対0の勝利としたとしています。
国内スポーツの最高峰リーグにおいて、なぜこのような「試合ボイコット」という前代未聞の事態に至ったのか。その背景には、オービックのプロ契約選手を巡る複雑な問題がありました。
Xリーグプレミアにおける「プロ契約選手」の定義
今回の騒動を理解するためには、まずXリーグプレミアにおける「プロ契約選手」の定義とルールを知る必要があります。
今季からスタートしたXリーグプレミアは、機構改変を経て、国内競技のレベルアップを目指して創設されました。その中で、各チームの戦力均衡を図るため、「登録できるプロ契約選手は4人まで」という上限が規定されています。
競技運営規程によれば、プロ契約選手とは単に給与の名目で金銭を支払われているかだけでなく、試合や練習、広報活動などの対価として、活動に要する費用を上回る金銭や経済的利益をチームやスポンサーなどから受けている場合を指します。これには住居の提供やトレーニング費なども実態によって判断の対象になるとされています。
騒動の発端とオービックへの処分
騒動の始まりは、4月17日の選手登録日以降のことでした。加盟チームの中から「他チームに上限の4人を超える“プロ契約と疑われる選手”がいる」として、確認を求める声が寄せられたと報じられています。
これを受けて調査が行われ、日本社会人アメリカンフットボール協会は8月、オービックが競技運営規定で定めるプロ契約選手数の上限に違反した疑いが払拭されないとして、選手1人を厳重注意処分としました。同時に、並河研代表と古谷拓也ゼネラルマネジャー(GM)に対し、8月28日から1カ月間の職務停止処分を科しています。
さらに9月11日には、協会による調査に対して「事実に反する資料の提供や説明」や「非協力的な対応」があったとして、両名に無期限の資格停止処分が下されました。また、並河代表には資格停止中に公式戦会場を訪れたとして、20万円の罰金も科されたと報じられています。
なぜ「試合ボイコット」に発展したのか
こうした一連の処分を受け、富士フイルム海老名を含むプレミア所属の7チームは、違反に関係する選手の特定や出場可否の明確化などを求め、協会や懲罰委員会、オービックに申し入れを行っていました。具体的には、対象となるプロ契約選手の明示や、今季残り試合への出場禁止、過去の試合結果の再審議などを求める共同申入書を提出していたとみられます。
しかし、富士フイルム海老名は、期限までに十分な回答が得られなかったとして「公平な条件下での試合実施が困難」と判断し、試合への参加を見送りました。また、協会がオービック側に出場の見送り要請をした5選手が具体的に示されなかったことも、理由として挙げられています。
リーグの判断と今後の動き
Xリーグ側は、富士フイルム海老名から不参加の表明を受けたため「試合を開催できない状況となった」として試合を中止しましたが、競技上の扱いは規定に基づき、オービックの1対0での勝利としました。
この裁定に対し、SNSなどでは「なぜ問題を起こした側が不戦勝になるのか」といった疑問の声が上がっていると報じられています。一方、Xリーグ側は「公式戦への参加義務」と「オービックへの懲罰処分」は別問題であると説明しており、加盟チームが独自判断で不参加を決めることはリーグ戦の公平性や安定運営を損なうとして、富士フイルム海老名の行為についても懲罰処分の要否を審議するとしています。
富士フイルム海老名側は9月22日、この処分について声明を発表しました。協会が公表した事実認定について「当法人が認識する事実及び保有する記録と異なる記載がある」と主張し、今後は不服申立てを行う方針を示しています。チーム側は、公正な競技環境と適切な運営の実現に向けて対応すると述べています。
オービックおよびXリーグは、一連の騒動について「深くおわび申し上げる」とするコメントを出しており、協会は10月11日を期限にオービックへ改善・再発防止策の提出を求めています。
国内アメフトのトップリーグにおけるガバナンスが問われる深刻な事態となっており、今後の不服申立てや改善策の提示によって、どのような決着がつくのかが注目されます。
出典 文春オンライン 朝日新聞 前代未聞の国内トップリーグ“試合ボイコット”はなぜ起きた? アメフトXリーグ狂騒曲の“複雑すぎる事情”「そもそも騒動の発端は…」(Number Web) 「0-1敗戦」「罰金100万円」…アメフトXリーグ、“試合ボイコット”に関する処分で富士フイルム海老名Minervaが不服申立てへ! – Qoly-Sports&the Style 前代未聞の国内トップリーグ“試合ボイコット”はなぜ起きた? アメフトXリーグ狂騒曲の“複雑すぎる事情”「そもそも騒動の発端は…」 (Number Web) 国内アメフト「Xリーグ」で未曽有の事態!“プロ契約問題”でオービック戦ボイコット…『0-1敗戦』にファンから疑問の声 – Qoly-Sports&the Style
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