MENU

習近平氏が軍ナンバー2の張又侠氏を粛清か、中国軍の混乱と背景を解説

  • URLをコピーしました!

中国の軍事権力を握る最高機関である中央軍事委員会の副主席、張又侠(ちょう・ゆうきょう)さんが「重大な規律・法律違反」の疑いで立件・審査調査されることになったと報じられています。

張さんは軍の実質的なナンバー2に当たる人物であり、習近平国家主席にとっての「盟友」ともされてきました。そんな最高幹部の突然の失脚は、中国の政治・軍事体制に大きな衝撃を与えています。

今回は、この粛清劇の経緯と、その背景にある中国人民解放軍の構造的な問題について整理します。

目次

何が起きたのか:軍最高幹部の電撃的な排除

2026年1月24日、中国国防部のホームページを通じて、張又侠中央軍事委員会副主席と、劉振立(りゅう・しんりつ)中央軍事委員会統合参謀部参謀長の2人が「重大な規律・法律違反」の疑いで調査されることが発表されました。

この発表は、実質的な失脚を意味するものとみられます。その後、中央軍事委員会委員で規律検査委員会書記の張升民(ちょう・しょうみん)さんが副主席に昇格しましたが、他の人員補充が行われなかったため、中央軍事委員会は主席と副主席のみという異例の2人体制になったと報じられています。

また、SNS上ではこの拘束に反発した軍が北京でクーデターを起こしたという情報が拡散されましたが、これらはデマであると指摘されています。

粛清の背景にある「権力闘争」と「不忠」

なぜ習近平氏は、信頼していたはずの張さんを排除したのでしょうか。報道ではいくつかの説が挙げられています。

1. 現代版「林彪事件」としての側面

一部の分析では、かつて毛沢東元主席が盟友であった林彪(りんぴょう)を追い詰めた構図に似ていると指摘されています。習氏が竹馬の友である張さんを追い詰めた形となり、これを「現代版・林彪事件」と呼ぶ見方があります。

2. 軍事戦略における路線の対立

軍事的な方向性の違いも指摘されています。習氏は拡張的かつ攻勢的な軍事建設を志向し、軍事闘争を重視していたのに対し、張さんは焦点を絞った発展を志向し、闘争を訓練や演習の枠内に組み込む考えだったと分析されています。

3. 派閥主義と腐敗の根絶

習氏は、軍内部で昇進のための贈収賄や、人的ネットワークによる派閥形成が横行していることを問題視してきました。2023年末には「少なからぬ政治上の宗派・山頭(ボス)と、経済上の腐敗圏域が交わっている」と言及しています。

張さんも、2023年に劉振立さんを抜擢したほか、装備開発部門との強いつながりを持っていました。習氏は、こうした「不忠」や派閥主義を根こそぎにするため、あらかじめ布石を打ち、張さんの旧部下を排除した上で電撃的に身柄を確保したとみられています。

中国軍への影響と今後のリスク

今回の粛清は、単なる人事交代に留まらず、人民解放軍の能力に深刻な影響を及ぼす可能性が指摘されています。

「経験不足」による意思決定の危うさ

大量の上将(大将相当)やベテラン中将が排除されたことで、後任者の経験値が著しく低下しています。「中将になりたて」の人物が「上将の仕事」を担わされるという、いわゆる「促成栽培」の状態にあると報じられています。

これにより、後任者たちが習氏の意向を過度に忖度し、本音を語れなくなるリスクがあります。その結果、情勢を誤判しやすくなり、自身の忠誠心を示すために過激な振る舞いを選択する恐れがあるとされています。

軍の掌握への不安と「無言の抵抗」

最高幹部の大量失脚により、軍内部では反発が高まっており、軍幹部たちが一斉に沈黙する「無言の抵抗」を見せているという指摘もあります。

こうした緊張関係から、習氏が安心して政権中枢の北京を離れられなくなっているという分析まで出ています。恒例の軍への「春節慰問」さえもリモートで行われたことが、その深刻な背景の表れであるとみられています。

日本への影響と視点

中国軍の最高首脳部が解体に近い状況にあることは、台湾有事などの軍事的なリスク判断に影響を与える可能性があります。

一部では、これほどの混乱状態で「台湾侵攻どころかまともに戦うこともできない状況にある」との見方がある一方で、経験の浅い後任者が過激な行動に走ることで、危機管理がより困難になるという懸念も示されています。

独裁体制下での急激な粛清が、中国の軍事的な安定性をどう変えるのか、引き続き注視が必要です。

出典 現代ビジネス プレジデントオンライン そして誰もいなくなった 習近平による解放軍最高幹部排除が意味するもの | 日米・安全保障研究ユニット | 笹川平和財団 – THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION 粛清続きの中国人民解放軍:危機感強める習近平の「軍再鋳造」計画 | nippon.com 【中南海激震】ついに起きた「現代版・林彪事件」…習近平が“盟友”張又侠を粛清、台湾有事の「歯止め」が消滅 東アジア「深層取材ノート」(第315回)(1/5) | JBpress (ジェイビープレス) 【掲仲コラム】張又侠氏「粛清」の深層と衝撃 習近平氏が恐れた「2つのレッドライン」とは | 揭仲(ジエ・ジョン) | ニュース – 風傳媒日本語版

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次