東京理科大学は、2026年のノーベル化学賞を受賞した硤合憲三(そあい・けんそう)名誉教授に、新たに「栄誉教授」の称号を授与することを決定したと発表しました。
この決定は、硤合さんの卓越した研究業績と、東京理科大学における教育および研究への貢献をたたえるものであり、授与は10月8日付となっています。
ノーベル化学賞受賞の背景と「Soai反応」
スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日、2026年のノーベル化学賞を東京理科大学の硤合憲三名誉教授ら2氏に授与すると発表しました。授賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒反応の発見」です。
硤合さんは有機化学を専門としており、「Soai反応」と呼ばれる、不斉増幅能に優れた不斉自己触媒反応を発見しました。これは、化学反応によって生まれた物質が同じ性質の物質をさらに増やしていくという現象です。
この研究は、地球上の生命の分子の偏りの謎に迫るものであるとされており、1世紀を超える難題を解決する発見であったと報じられています。
硤合憲三さんの経歴と歩み
硤合さんは1950年に広島県で生まれました。東京大学を卒業後、大学院で博士号を取得し、アメリカの大学で研究に従事した後、東京理科大学の教授などを務めました。現在は同大学の名誉教授であり、年齢は76歳です。
過去に硤合さんの研究成果が学術誌のネイチャーに掲載された際、助手が大喜びしたのに対し、硤合さんは冷静に「これからが始まり」「前に進もう」と述べたエピソードが伝えられています。
また、日本からのノーベル賞受賞(米国籍を含む)は、2025年の坂口志文さん(大阪大学特別栄誉教授)と北川進さん(京都大学特別教授)に続き、3年連続となりました。個人としては計31人目の受賞となります。
日本の科学界への影響と今後の展開
今回の受賞に伴い、2人の受賞者には賞金1200万スウェーデンクローナ(約1億9000万円)が贈られます。授賞式は12月10日にストックホルムで開催される予定です。
東京理科大学では、この快挙を次世代の教育に活かす取り組みを始めています。10月19日には、中高生や保護者、教員を対象としたオンラインイベント「高校生のためのノーベル賞解説」を開催します。
このイベントでは、今年理学部に新設された「科学コミュニケーション学科」の教員が、硤合栄誉教授の研究を含む今年のノーベル賞(化学賞、生理学・医学賞、物理学賞)について分かりやすく解説します。あわせて、同学科に所属する生命科学、物理学、化学の研究室も紹介し、高校での学びが大学や社会にどう広がっていくかを体感できるプログラムが用意されています。
硤合さんが居住している埼玉県志木市の市民からは、市内からノーベル賞受賞者が出たことに対して驚きの声が上がっていると報じられています。
出典 毎日新聞 フジテレビ 読売新聞オンライン NHK 【中高生募集】硤合憲三栄誉教授の研究も紹介 東京理科大が「ノーベル賞」を解説 – 高校生新聞:10代を応援するニュース&コンテンツメディア
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