千葉県松戸市の医療法人徳洲会千葉西総合病院において、勤務する看護師が患者を無断で撮影し、個人のSNSアカウントに投稿していたことが明らかになりました。病院側は公式サイトで謝罪し、事実確認と再発防止に向けた対応を進めています。
どのような動画が投稿されたのか
問題となったのは、看護師の出勤から退勤までの様子を記録したVlog形式のショート動画です。動画は15時から翌朝9時までのタイムラインに沿って構成されており、病院に向かう場面では病院の外観とともに「地獄の館」というテキストが添えられていたと報じられています。
特に物議を醸しているのは、深夜4時前後に撮影された場面です。この動画では、ICU(集中治療室)と思われる病室でベッドに横たわる高齢の女性患者が至近距離から撮影されており、顔の一部や上半身、周囲のモニターが確認できる状態だったと伝えられています。
また、動画内には以下のような不適切なキャプションやテロップが表示されていたと報じられています。
- 患者に対して「おばあたーん」とつづる記述
- 「デブすぎ臭すぎ」「嗚咽祭りバカ楽しかった!!」「うんこしすぎ」など、患者の身体的特徴や排泄状況を揶揄する表現
- 同僚看護師とのやり取りとして「同期夜勤だったのに受け持ち端と端…」「オムツ交換助け合った!」といった記述
さらに、退勤直前の場面では、院内で使用しているパソコンの画面も映り込んでいたとされています。
病院側の対応と現状
千葉西総合病院は10月8日、公式サイトで「当院職員によるSNSへの不適切な動画投稿に関するお詫び」という声明を発表しました。病院側は、「当院に勤務する職員が、院内で患者様が映り込んだショート動画を個人のSNSアカウントに無断で投稿していたことが判明いたしました」と報告し、患者やその家族、関係者へ謝罪しています。
病院の担当者は、事案を把握したのは8日であったことを明かしています。また、院内での撮影規則について問われた際、「プライバシーや個人情報の取り扱いに関しては、入職時のオリエンテーションなどでも指導していますが、今回、このようなことが起きてしまい大変ご迷惑をおかけしております」と述べています。
現在は投稿の削除と職員への聞き取りが進められており、事実確認後に詳細な報告と再発防止策を提示するとしています。
医療現場におけるSNS投稿の背景と課題
今回の事案に対し、SNS上では「自分のおばあちゃんとかがこういう風に撮られてたら凄く嫌すぎる 絶対許せない」といった、患者の尊厳を損なう行為への強い批判が噴出しています。また、現職の看護師と思われるユーザーからも、こうした投稿によって「看護師の夜勤は暇」という誤解を招き、風評被害になると不快感を示す声が上がっています。
医療従事者は、業務上知り得た患者の情報を正当な理由なく第三者に伝えてはならない守秘義務を負っています。身体の状態や排泄の状況、病室の様子などは診療に付随する個人情報にあたり、これらを加工し、嘲笑的な文言とともにSNSへ投稿する行為は、職業倫理および守秘義務に大きく反するものと指摘されています。
また、医療現場での同様のトラブルは他にも報告されています。昨年1月には千葉大学医学部附属病院で、看護師を名乗るアカウントによる不適切投稿が発生しました。この件では、外部有識者を含む調査委員会が「患者に対する不適切な対応は確認できなかった」と結論付けましたが、投稿主と特定された看護師には今年6月に停職4カ月の懲戒処分が下されています。
ITジャーナリストは、SNSの利用が日常に浸透したことで投稿への心理的ハードルが下がっていると分析しています。投稿者が想定している公開範囲と実際に情報が広がる範囲は必ずしも一致せず、スクリーンショットや転載によって瞬時に不特定多数へ拡散されるリスクがあるとしています。
職員個人の問題として処理するだけでなく、勤務先での撮影ルールや個人情報の管理、SNS利用に関する教育が実際に機能していたのか、組織としての検証が求められています。
出典 女性自身 週刊女性PRIME 夜勤の「あるある」が患者の尊厳を奪った日 千葉西総合病院の無断撮影Vlogが問う現場の境界 – coki (公器) 看護師が不適切動画をSNS投稿 千葉西総合病院、患者を無断撮影 | nippon.com 千葉西総合病院 看護師が不適切な動画を投稿し謝罪 共同通信
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