佐川急便は2026年10月2日、宅配便の届け出運賃を2027年1月1日から引き上げると発表しました。上昇率は平均で約13.8%となる見通しです。値上げは2024年4月以来、2年9か月ぶりとなります。
今回の改定は、主に個人や小口の法人が営業所に荷物を持ち込んだり、集荷を依頼したりする際の料金が対象です。一方、大口法人については個別の契約で決定されることが多いため、今回の届け出運賃の改定とは異なります。
サイズによって異なる値上げ幅
今回の運賃改定では、荷物のサイズが大きくなるほど引き上げ幅が目立つ傾向にあります。
具体的に関東から関西へ送る場合の例を挙げると、主力の「60サイズ(荷物の3辺の長さの合計が60センチメートル以内)」は、現在の1,040円から20円アップの1,060円となります。一方で、最大の「260サイズ(同260センチメートル以内)」では、現行の8,420円から2割高い10,100円へと引き上げられます。
また、その他のサイズについても、関東から関西への配送において100サイズが1,630円から1,650円へ、140サイズが2,310円から2,660円へ、160サイズが2,570円から2,960円へ、170サイズは3,360円から4,200円(25%増)になると報じられています。
さらに、宅配便以外のサービスについても料金改定が行われます。航空宅配便は平均して約2.7%引き上げられるほか、小型荷物向けの「飛脚ゆうパケット便」では、厚さ2センチ以内(310円)や1センチ以内(250円)の料金が、いずれも3センチ以内と同じ360円に統一される見込みです。あわせて、紙の請求書発行手数料についても、1通あたり110円引き上げられ、220円(税抜)となります。
値上げの背景にあるコスト高騰と人手不足
佐川急便が今回の価格改定に踏み切った背景には、物流業界全体が直面している深刻なコスト増があります。
まず挙げられているのが人件費や資材価格の高騰です。物流施設の賃料や段ボールなどの資材価格が上昇しており、企業努力だけでは吸収しきれない水準に達しているとされています。また、車両整備費の増加も負担となっています。
特に深刻なのが慢性的な人手不足です。ドライバーの確保が困難な状況にあるため、協力会社への支払いを拡充して輸送力を維持する必要に迫られています。佐川急便は、今回の改定について「安全で安定したサービスを提供し続けるため」とし、「輸送力の維持・確保や物流ネットワークの強化に向けた継続的な投資が必要」であると説明しています。
また、人手不足に対応した輸送効率化に向けた設備投資や、従業員の処遇・労働環境の改善、パートナー企業との適正な取引条件の整備などを進めることで、生産性の向上とネットワークの維持に取り組む方針です。
物流業界の現状と今後の展望
こうした運賃の引き上げは、佐川急便に限ったことではありません。ヤマト運輸や日本郵便などの大手各社も過去に実施しており、業界全体で「適正運賃」の実現に向けた動きが続いています。
背景には、いわゆる「2024年問題」と呼ばれるトラックドライバーの時間外労働規制の強化があります。これにより、物流各社は運賃の改定と荷物量の適正化を急いできました。配送コストの上昇を運賃に転嫁し、それをドライバーの待遇改善やインフラ維持に充てるというサイクルを作らなければ、物流網の維持が困難になるという危機感があると考えられます。
また、外部環境の影響も無視できません。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰が続いていることから、佐川急便は「燃油サーチャージ」の導入についても引き続き検討しているとしています。
EC(電子商取引)市場の拡大によって宅配取扱量が増加し続けるなかで、今回の運賃改定による収益改善が、実際の物流ネットワークの強化や安定したサービス提供につながるかどうかが今後の焦点となりそうです。
出典 日本経済新聞 時事通信 読売新聞オンライン TBS NEWS DIG 佐川急便 宅配便平均13%値上げへ 佐川急便 来年から宅配便などの運賃の値上げを発表 資材や人件費の高騰を受けて(TBS NEWS DIG)|dメニューニュース(NTTドコモ) 佐川急便/2027年1月から運賃改定、「飛脚宅配便」で平均13.8%値上げ ─ 物流ニュースのLNEWS 佐川急便、宅配便を平均13.8%値上げ 27年1月から — BigGo ファイナンス 佐川急便 来年から宅配便などの運賃の値上げを発表 資材や人件費の高騰を受けて(TBS NEWS DIG)|dメニューニュース(NTTドコモ)
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