ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、欧州諸国によるロシアへの直接攻撃があった場合、核兵器を含むあらゆる兵器の使用を検討する考えを示しました。
10月1日、モスクワで開催された国内外の有識者による討論フォーラム「ワルダイ会議(バルダイ会議)」の年次総会において、プーチン大統領は、ロシア連邦が直接攻撃を受けた場合、「当然ながら、保有するあらゆる兵器の使用について、すぐに検討せざるを得なくなる。これは避けられないことだ」と語りました。
特に焦点となっているのが、ロシアの飛び地であるカリーニングラード州です。
緊張の舞台となるカリーニングラード州とは
カリーニングラード州は、ロシア本土から離れ、北と東をリトアニア、南をポーランドに囲まれているロシアの飛び地です。バルト海に面しており、ロシア海軍の拠点であるほか、核弾頭を搭載することが可能な弾道ミサイルが配備されている要衝とされています。
プーチン大統領は、このカリーニングラード州やその他の地域が標的となった場合、「保有するあらゆる兵器の使用を検討する」とし、核兵器使用の可能性を排除しませんでした。また、同州を防衛するために「あらゆる兵器」を使用すると警告しています。
NATOとの対立とエスカレーションの背景
今回の発言の背景には、北大西洋条約機構(NATO:欧米諸国を中心とした軍事同盟)との深刻な対立があります。NATO加盟国はここ数か月、カリーニングラードとの国境沿いで複数回にわたり軍事演習を実施しています。これに対しロシア側は、NATOの指導部および加盟国による挑発的な言動であると非難しています。
プーチン大統領は、バルト海で相次いで実施されている軍事演習や、ロシア船舶に対する拿捕(だほ)の試みに触れ、「これらはすべて事態のエスカレーションを構成する」と述べました。さらに、ロシアは9月の時点で、NATO加盟国によってカリーニングラード州が孤立化(封鎖)された場合、核兵器を使用する用意があるという書簡をNATOに送付していたと報じられています。
一方、NATO側はこれらの演習について、抑止力の強化を目的とした防衛行動であると説明しており、プーチン大統領による発言を「無責任な核の威嚇」として強く非難しています。
ロシア側の主張と今後の展望
プーチン大統領は、ロシアに「誰かを攻撃する意図はない」とし、2029年、2030年、あるいは2050年であっても同様であると強調しています。一方で、「しかしながら、われわれが攻撃を受けた場合には、反撃せざるを得ない。欧州諸国の国民はこの点をしっかりと理解しておく必要がある」と警告し、攻撃を受けた際の報復の正当性を主張しました。
また、日露関係についても言及がありました。プーチン大統領は「ロシアの対日姿勢は変わっていない」と主張したうえで、関係を悪化させたのは日本側であるとの考えを改めて示しています。同時に、関係が改善すれば「相互に利益となる分野がある」とも述べています。
ウクライナ侵略を巡って西側諸国との対立が深まるなか、ロシアが軍事的に極めて重要な拠点であるカリーニングラードを巡り、核兵器という究極の手段に言及したことで、国際的な緊張状態が一段と高まっているとみられます。
出典 読売新聞オンライン 共同通信 北海道新聞 プーチン氏、「あらゆる兵器の使用を検討する」と警告 核兵器使用も排除せず|Infoseekニュース プーチン大統領は、ロシアはカリーニングラードを防衛するために「あらゆる兵器」を使用すると警告した。
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