2026年9月27日、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山(標高3067メートル)で発生した噴火災害から12年を迎え、麓の長野県王滝村にある松原スポーツ公園で追悼式が行われました。
この式典には遺族や地元関係者ら約60人が出席し、噴火が発生した時刻である午前11時52分に合わせて黙とうが捧げられました。遺族らは献花台に白菊を手向け、犠牲者の冥福を祈ったと報じられています。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山噴火の概要
2014年9月27日に発生した御嶽山の噴火は、死者58人、行方不明者5人(計63人)を出すという、戦後最悪の火山災害となりました。噴火は紅葉シーズンの土曜日に発生したため、多くの登山者が犠牲となったのが特徴です。
今回の追悼式にあたり、山頂の剣ケ峰でも噴火時刻に合わせて遺族らによる追悼が行われました。また、登山口を訪れた名古屋市の男性は、12年前の噴火当日に登山を予定していたものの仕事で中止していたとし、「12年目だからこそ、忘れないために登りに来た」と語ったと伝えられています。
11年ぶりに参列した気象庁長官と、遺族との関係
今回の追悼式では、2015年以来となる11年ぶりとなる気象庁長官の参列がありました。
気象庁の野村竜一長官は、「犠牲となられた皆様の思いは、気象庁が不断の努力を行い、より確実な情報を提供することで、山に登る方、周りに住む方々を守ることであると思います」と述べました。あわせて、「遺族との対話は今後の火山業務をする上で、とても重要と感じた」とも語っています。
こうした気象庁の姿勢の背景には、過去の法的な争いがありました。噴火を巡っては、登山者らが死傷したのは気象庁が警戒レベルの引き上げを怠ったためであるとして、遺族らが国と長野県に損害賠償を求める訴訟を起こしていました。しかし、この訴訟については今年1月に最高裁判所で遺族側の敗訴が確定しています。
「風化」への危機感と、登山者への啓発活動
噴火から12年が経過し、遺族の間では災害の記憶が薄れていく「風化」への懸念が高まっています。
遺族などで構成される「山びこの会」は、27日の朝に御嶽山の登山口で登山客に対し、手作りのキーホルダーを配布する活動を行いました。この活動を通じて、火山災害における備えの必要性を伝え続けています。
活動に関わった遺族からは、「12年経つので風化も進んでいますし、事前の装備などそういったことを守ってほしい」「安全な登山をもう1回認識してほしいという思いで配っている」といった切実な思いが語られています。
また、夫を亡くした野口弘美さん(68歳・長野県安曇野市)は、式典後に「12年があっという間」と涙を流し、「今年もまた来たよって、私はみんなに助けられて、頑張って生きているから心配しないでねって声をかけました」と、犠牲者への思いを伝えました。
現在の御嶽山の状況
現在の御嶽山の噴火警戒レベルは「1(活火山であることに留意)」となっています。しかし、信濃毎日新聞の報道によれば、山頂付近は12年経った今も「危険地帯」であるとされており、教訓の継承と安全な利用の間での課題が残されている状況にあるとみられます。
出典 時事通信 NHK 信濃毎日新聞 テレビ朝日 佐賀新聞 日テレNEWS 東奥日報 南日本新聞 死者・行方不明者63人 「御嶽山噴火災害から12年」で追悼式 風化が進んでいる…〝備え〟忘れないために啓発も【長野】(abn長野朝日放送) 御嶽山噴火12年で追悼式 家族会「観測態勢改善を」 | NEWSjp
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