台風25号がもたらした大雨の影響で、千葉県成田市や印西市にまたがる印旛沼の堤防が決壊し、周辺地域で大規模な浸水被害が発生しました。この影響で、近くの養殖場で飼育されていたウナギ約5万匹が流されるなどの甚大な被害が出ていると報じられています。
養殖場と農漁業への甚大な打撃
今回の堤防決壊により、特に大きな被害を受けたのが地域の養殖業です。印旛沼漁業協同組合が運営する養殖場では、いけすにいた約5万匹のウナギの多くが流出したと伝えられています。
印旛沼漁協の小川佳男組合長さんは、「ここまで水が流れてくるとは思わなかった。ウナギは全滅だろう」と嘆いており、被害額はウナギだけで億単位になるとみられています。養殖場では、井戸水をくみ上げるモーターなどの設備も水没し、電気や水道が使えない状態となり、直営レストランで提供するための水質も濁っているため、提供は困難な状況にあるといいます。小川さんは「提供したくても再来年以降になる」と話しています。
また、被害はウナギだけにとどまりません。谷養魚場では、ニシキゴイや金魚など約10万匹のほとんどが流されたと報じられており、谷健治社長さんは死骸を前にため息をつく様子が伝えられています。さらに、新米の保管倉庫が浸水するなど、稲作農家への打撃も大きく、4代続く農家が「廃業も考えざるを得ない」と漏らすなど、地域の農漁業に深刻な影響を及ぼしています。
住宅地やインフラへの影響
浸水被害は産業だけでなく、住民の生活にも及びました。住宅地では床上30cmほどまで浸水したケースがあり、住民からは「そのときだけはドドドドっと入ってきた」との証言が出ています。また、周辺道路の冠水や分断、陥没が発生し、流されたトラックの荷台が放置されるなどの光景が見られました。
さらに、水没したソーラーパネルから再び火災が発生したほか、飲食店などの店舗でも浸水被害が相次ぎ、「再開したら水害」と嘆く店主の姿も報じられています。
復旧作業と「ダブルパンチ」への懸念
堤防の決壊を受けて、25日から国交省による緊急の復旧工事が始まりました。千葉県、水資源機構、関東地方整備局で構成される「チーム印旛沼」が結成され、決壊した堤防の応急復旧とともに、排水ポンプ車を増強して急ぎ排水を進める方針とされています。
しかし、復旧作業が進む一方で、地域には新たな不安が広がっています。台風26号が関東に接近し、再び大雨をもたらす恐れがあるためです。住民からは「まだ完全に水引いてないので、また心配ですよね」という声が上がっており、一度大きな被害を受けた地域に再び雨が降る「ダブルパンチ」への警戒が強まっています。
まとめ
台風25号による印旛沼の堤防決壊は、地域の基幹産業であるウナギ養殖や稲作に壊滅的な打撃を与えました。億単位の損失や、数万匹に及ぶ魚類の流出という現実に、生産者の方々はあ然としています。行政による緊急復旧が進められていますが、自然災害の連鎖という厳しい状況の中、地域の生活と産業の再生に向けた困難な道のりが続いています。
出典 NHK 毎日新聞 時事通信 印旛沼決壊 ウナギ「全滅だろう」 千葉県に再び大雨か 堤防決壊の印旛沼で復旧作業進む 名産ウナギが甚大な被害「ダブルパンチ」への警戒強まる(放送局のニュース ) – 日本気象協会 tenki.jp 印旛沼決壊、養殖のウナギ「全滅だろう」・4代続く稲作農家「廃業も考えざるを得ない」…農漁業に大打撃(読売新聞)|dメニューニュース(NTTドコモ) コイやウナギ、新米などに打撃=台風で決壊の印旛沼周辺―千葉大雨【時事通信速報】 – 日本食糧新聞・電子版
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