ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナにおいて、米国製の防空システム「パトリオット」の迎撃用ミサイルが底をつき、ロシアの弾道ミサイル攻撃に対して一段と無防備な状況になっていると報じられています。
米CNNテレビが15日に行った報道によると、事情に詳しい情報筋が、ウクライナのパトリオット用迎撃ミサイルが枯渇したことを明らかにしました。情報筋はCNNに対し、「(迎撃)ミサイルが不足しているせいで、直近の攻撃では弾道ミサイルをほぼ迎撃できずに終わった」と語っています。
激化するミサイル攻撃と防空の現状
ウクライナではロシアによるミサイル攻撃が続いており、防空体制の維持が喫緊の課題となっています。
14日朝にかけての攻撃では、ロシアの弾道ミサイルがウクライナの首都キーウにある発電所3カ所に着弾したほか、北東部のハルキウでもエネルギー関連施設が標的となりました。この攻撃により、キーウでは4人が死亡、25人が負傷したと伝えられています。
ウクライナ空軍は、この攻撃への防衛においてロシアの弾道ミサイル4発を迎撃したと発表していましたが、この防衛によって残っていたわずかなパトリオット用ミサイルを使い切った可能性があるとみられています。
パトリオットは、弾道ミサイルを撃ち落とせる数少ない防空兵器の一つとして知られています。ウクライナのゼレンスキー大統領は、これまでも公の場で、迎撃ミサイルの在庫確保に絶えず苦慮している状況を訴えてきました。ゼレンスキー氏は、追加供与に向けた合意を取り付けるために支援国との電話協議を数百万回も行っていると説明しており、手元にあるミサイルは緊急に必要とする量の10分の1にすぎないと訴えていました。
ミサイル供給不足の背景と国際情勢
迎撃ミサイルが不足している背景には、単なる消耗だけでなく、世界的な供給不足の問題も指摘されています。
迎撃ミサイルは非常に高価であり、世界的に供給が不足している状態にあります。これは、イランとの戦争が続く中で他国が在庫を大量に消費していることや、各国が自国の防空体制を強化しようとしていることが影響しているとみられます。
また、米国の政治状況もウクライナの防衛能力に影響を及ぼす懸念があります。トランプ前大統領との関係においても、いくつかの課題が浮き彫りになっています。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏がロシアのプーチン大統領と結んだ合意について、裏切られたと感じているとコメントしています。一方で、米国側はウクライナに対し、ロシアの燃料施設への攻撃を停止するよう要求しており、ウクライナがロシアの製油所に攻撃を再開したことについて、トランプ氏は「恥さらしだ」と非難する姿勢を見せています。
もし今後、トランプ政権が「ウクライナの優先必要品リスト(PURL)」と呼ばれる仕組みを通じた、欧州諸国による米国製兵器の購入を停止することに決めた場合、弾道ミサイル防衛に不可欠なパトリオット用迎撃ミサイルの供給がさらに危うくなる可能性も指摘されています。
今後の展望とウクライナの対応
ミサイルの枯渇という深刻な事態を受け、ゼレンスキー氏は14日に公表した声明の中で、迎撃ミサイルの追加供与を改めて要請しました。声明の中でゼレンスキー氏は、米国の大統領は力と正義、侵略者への圧力を通じて和平をたぐり寄せるために必要な全ての有効な手段を持っているとし、ウクライナへのパトリオット迎撃ミサイルの追加供与を求めるとしています。
ウクライナ側は、ロシアのエネルギー関連施設への攻撃を報復として続ける方針を表明しており、防空能力の低下を補うための動きを見せていますが、防空システムの維持は依然として極めて困難な状況が続いています。
出典 CNN 産経新聞 沖縄タイムス 徳島新聞 共同通信 ウクライナ、パトリオットミサイル枯渇か(共同通信)|dメニューニュース(NTTドコモ) "ほとんど迎撃できず" パトリオット枯渇と米報道 – エキサイトニュース
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