今年のノーベル平和賞に選出されたナビ・ピレイさんが、かつて判事を務めたICC(国際刑事裁判所)を訪問しました。トランプ政権によるICCへの制裁措置が発表されるなか、ピレイさんは職員らへの連帯を示し、アメリカに対してリーダーとしての役割を取り戻すべきだと訴えています。
ノーベル平和賞受賞とICC訪問の経緯
ナビ・ピレイさんは、2003年から2008年までICCで判事を務めたほか、ルワンダ国際刑事裁判所の所長などを歴任してきました。平和と国際法の推進に尽力したことが評価され、10月9日にノーベル平和賞に選ばれています。
ピレイさんは12日、オランダのハーグにあるICCの本部を訪れ、赤根智子所長らと面会しました。この訪問の目的について、アメリカのトランプ政権がICCを制裁対象にしたことに反発し、職員らに連帯を示すためであったと明かしています。
ICCでは、ピレイさんは集まった職員らに対し、「あなたたちの思いやりと勇気があるからこそ、“罪が裁かれない”という事態の横行を防げている」と激励の言葉をかけました。また、自身の受賞について、「この受賞によって、『法の支配を守るには団結しなければならない』という私の信念は強まりました」と述べています。
アメリカによるICC制裁とトランプ大統領の主張
一方で、アメリカのトランプ大統領はピレイさんの選出に異を唱えており、国際法に基づく秩序を脅かす動きを見せています。トランプ大統領は、ピレイさんについて「ノーベル賞が贈られたのは、国連のリベラル派で聞いたこともない奴だ。私は戦争を8つ終わらせたんだ。ノーベル賞を8つ授与されて良いはずだ」と述べています。
さらにトランプ大統領は、ICCを「ならず者機関」「悪の集団」と呼び、「ICCの全加盟国に対し、この“ならず者機関”からの正式な脱退を呼びかける」と主張しました。
トランプ政権は、ノーベル平和賞の発表直後にICC本体に対する制裁を発表しており、「資金を断ち、活動を麻痺させる」としています。ピレイさんは、このタイミングで制裁が行われたことについて、「偶然とは思えない」と話しています。
「自由をもたらすリーダー」への回帰を訴える
ピレイさんは13日、ロイター通信のインタビューに応じ、現状の国際情勢への危機感を表明しました。現在の紛争において、民間人が爆撃にさらされ、ガザなどではドローンによって女性や子どもが殺害されていると指摘しています。
そのうえで、今回の米国の対応について、「これはアメリカが主導して採択してきた国連の条約や協定のすべてを覆す事態だ」と強調しました。ピレイさんは、「私がアメリカに伝えたいのは、(人権擁護や)世界に自由をもたらすリーダーに戻らなければならないということです」と述べ、アメリカはかつてのように人権を擁護し、世界の国々に自由をもたらすリーダーに戻るべきだと訴えています。
ICC側は、アメリカによる制裁について「国際法秩序に対する攻撃であり、法の裁きを待ち続けてきた残虐行為の被害者たちへの攻撃でもあります。制裁は断固として認めません」とする立場を示しています。
出典 TBS NEWS DIG テレビ朝日 ノーベル平和賞ナビ・ピレイ氏 古巣のICC訪問 アメリカ制裁対象の赤根所長らを激励【news23】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) 平和賞 ピレイ氏「アメリカは世界に自由をもたらすリーダーに戻るべきだ」|Infoseekニュース 平和賞ピレイ氏「世界に自由をもたらすリーダーに戻るべき」米国に訴え(TBS NEWS DIG)|dメニューニュース(NTTドコモ)
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