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自衛隊への原子力潜水艦導入を検討へ、安保3文書改定で浮上

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政府が、自衛隊への原子力潜水艦(原潜)の導入について検討に入る方針を盛り込む案を検討していることが報じられました。年内に予定されている「安全保障3文書」の改定に合わせ、導入の是非を判断するための環境を整えようとする動きです。

読売新聞によると、複数の政府・与党関係者がこの方針を明らかにしました。もし文書に「保有検討」という内容が記載されれば、具体的な調査研究に着手する環境が整うことになります。その後、数年をかけて実際に保有するかどうかの是非を決定する想定だといわれています。

目次

原子力潜水艦導入に期待される効果と背景

原子力潜水艦は、原子力を動力源とするため、一度も浮上することなく長期間の潜航と高速航行が可能です。

現在の海上自衛隊が運用する「そうりゅう」型潜水艦のような通常動力型潜水艦は、ディーゼルエンジンなどを動力としています。「そうりゅう」型は、スターリング機関というAIP(非大気依存推進)システムを搭載しており、通常動力型としては最長となる2週間の連続潜航が可能ですが、高速航行時にはディーゼルエンジンを使用するため外気を取り入れる必要があり、浮上させる回数が生じます。

これに対し、原潜は通常動力艦と比べて速力が増し、長期間の潜航が可能です。そのため、周辺海域の警戒監視や反撃能力の行使などの際に機動的な対処ができ、抑止力の向上につながると期待されています。

また、政治的な動きとしても、日本維新の会が提言で「早急に原潜を導入すべきだ」と求めていたほか、自民党が高市首相に提出した提言では、長射程ミサイルを発射可能なVLS(垂直発射装置)搭載潜水艦の保有に向け、「次世代の動力の活用」を掲げていました。

導入に向けた現実的な課題

一方で、原潜の導入には極めて高いハードルがあることも指摘されています。

まずコスト面では、建造費が通常動力型の数倍はかかると見込まれています。また、原子力機関の維持や整備、運用には高度な専門技術が必要であり、それを担う人材の育成も大きな課題です。

海上自衛隊のトップである齋藤聡海上幕僚長は、2026年9月15日の記者会見において、原潜などの新たな装備を導入する際には「いわゆる人、物、金の側面」で検討する必要があると述べています。

齋藤海幕長は、それぞれの課題について次のように説明しています。

  • 「物」について:防衛構想の中でどのような活動に使うのかを定め、そのために必要な動力や基地システム、搭載する武器などを検討する必要がある。
  • 「人」について:運用する要員をどのように育成し、教育・訓練を継続していくのかが課題になる。
  • 「金」について:導入時の予算だけでなく、長期間にわたって維持・整備するための予算が必要になる。

さらに、一般論として水中での静粛性や船体の大型化なども課題に挙げられており、海幕長は「人、物、金」のどれかが欠けても駄目であると強調しています。

専守防衛と国民的議論

日本にとって原潜導入は、単なる性能の問題だけではなく、政治的・道徳的な含みを持つ問題です。被爆国である日本にとって、原潜の導入は専守防衛政策との兼ね合いもあり、これまでタブー視されてきた経緯があります。

政府の「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」においても、原潜の保有を求める意見が出ている一方で、慎重な意見もあります。政府は、同会議がまとめる提言や与党の見解を見極める意向であると報じられています。

原潜をめぐる議論は、単に保有するか否かだけでなく、日本が何のために使うのかという目的の明確化、そしてそれを支える人材、基地・整備体制、長期的な予算を確保できるかという現実的な検討が不可欠になるとみられています。

出典 読売新聞オンライン 時事通信 自衛隊に原潜導入 検討案が浮上 自衛隊への原子力潜水艦の導入検討案が浮上、安保3文書の年内改定で…抑止力維持には不可欠との分析(読売新聞)|dメニューニュース(NTTドコモ) 原子力潜水艦導入の最大の課題は? 海幕長に聞いた(高橋浩祐) – エキスパート

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