NHKが2026年10月2日、理事会の議事録を公表し、2026年度第1四半期(4~6月)の受信契約状況を明らかにしました。それによると、6月末時点の受信契約総数は4019万件となり、第1四半期だけで14万件減少したことが報告されています。
この減少により、契約総数は4000万件を割り込む直前の状況にあります。
受信契約と営業収納の現状
今回の報告では、契約総数だけでなく衛星契約数についても言及されています。衛星契約数は2151万件で、5万件の減少となりました。減少幅については前年より改善したものの、契約総数および衛星契約数のどちらもマイナスという結果になっています。
NHKは、この状況について「契約総数、衛星契約数ともに増減数はマイナスとなっており、減少数を補完するだけの新規取次数を確保できていない状況」と説明しています。
また、あわせて報告された営業収納額は1399億円で、前年6月末の実績を5億円下回りました。第1四半期の減少幅については、前年6月末の実績と同水準であったとされています。
契約減少の背景にある要因
受信契約数の減少は、今回の一時的な現象ではなく、長期的な傾向にあると報じられています。
朝日新聞などの報道によると、受信契約数は2019年度末の4212万件をピークに減少を続けており、2025年度9月末時点では4043万件となっていました。NHK側は、こうした契約減少の背景に「テレビ離れ」や物価高などが影響しているという見解を示しています。
また、産経新聞は、受信料収入が7年連続で減少していることを報じています。NHK経営委員会の古賀信行委員長は、物価高の影響に触れ、安易に値上げとは言えない状況であるとして、受信料収入の下げ止まりが目に見える形にはなっていないと述べています。
営業手法の転換と未収対策への取り組み
NHKは、受信契約を確保するための営業手法を大きく転換しています。従来の巡回型の訪問営業は2023年度末に終了し、現在は放送や配信、電子メール、SMSなどを活用した「新たな営業アプローチ」へ移行しています。
この手法の転換が進むなか、受信料を支払っていない世帯や事業所の数(未収数)への対策を強化しています。毎日新聞やAV Watchなどの報道によれば、2025年度の未収数は約174.2万件となり、前年度から約3,000件減少して6年ぶりに減少に転じました。
NHKは2025年10月に「受信料特別対策センター」を設置し、書面や電話による督促を強化したことで、一定の効果が出たとしています。また、2026年度には、丁寧な説明を尽くしても理解を得られなかった場合の最終手段として、民事手続きを全国で2,000件超という規模で実施する目安を設けていることも報じられています。
公共放送のあり方と今後の展望
契約数の減少と財源の不安定化を受け、受信料制度そのものについての議論も噴出しています。
読売新聞によれば、NHK経営委員会の古賀信行委員長は、放送法ができて70年以上が経ち、社会変化が起こっているとして、受信料制度を含めた公共放送のあり方を再考する必要性を訴えています。また、古賀委員長は「(公共メディアの)本当の役割って何だろうとか、原点に立ち返った議論をしていく時期ではないか」とも述べています。
一方で、契約者が自由に選択できる「スクランブル方式」の導入については、番組を見ない人が契約しなくて済むため、収入が激減し財政が厳しくなると懸念する職員の声があるとも報じられています。これについて井上樹彦会長は、スクランブル化で減収するかどうかについて「考えたことがないというか“思考の外”」と答えています。
NHKは現在、ドラマの海外展開など受信料以外の収入確保を模索していますが、現状の制度に基づく事業運営が容易ではない状況が続いています。
今回の第1四半期の報告において、NHKは「第1四半期の段階で、下げ止まりに向けた課題と成果が見えてきました」としており、今年度後半に向けて全局体制で営業活動に臨む意向を示しています。
出典 スポーツニッポン 読売新聞オンライン 産経新聞 朝日新聞 ORICON NEWS 毎日新聞 NHK受信契約減少 第1四半期14万件減で4000万件割れ目前「新規取次確保できず」下げ止め注力へ|Infoseekニュース NHK、受信料の未収数が6年ぶり減少。督促の民事手続きを過去最多規模に拡大へ – AV Watch
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