総務省は2026年9月29日、2025年国勢調査において富山市が人口を水増しして報告した疑いがあるとして、当時の市職員を統計法違反の疑いで富山県警に告発したと発表しました。
告発された職員は氏名不詳のままとなっており、総務省によれば、この不正には複数の職員が関わった可能性があるということです。
何が起きたのか:人口水増しの手口と規模
今回の問題は、2025年に行われた国勢調査のデータ処理過程で発覚したと報じられています。
総務省などの発表によると、市職員は国勢調査員が現地を訪問し、「居住実態なし」として調査一覧から抹消した世帯を、特段の根拠なく一覧に再追加するなどして人口を水増しした疑いが持たれています。
水増しされた人数は少なくとも2000人以上にのぼるとされており、総務省が提出データを審査する過程で疑義が生じ、今月上旬には統計局の職員が市役所を訪問して聞き取りを行ったとされています。
人口数値への影響と市長の対応
今回の不正を受けて、総務省が29日に公表した確定値では、富山市の人口は39万9197人となりました。一方で、今年5月に公表されていた速報値では40万2133人となっており、確定値では40万人を割り込む結果となっています。
この件について、藤井裕久市長は同日、記者団の取材に応じ、「多大なるご迷惑をおかけし、心よりおわびする」と陳謝しました。
また記者団から、人口を40万人分の下回らないようにする目的があったのではないかと問われた際、藤井市長は「それはないと思う」と否定しています。
統計法違反による刑事告発という異例の措置
国勢調査を巡って、総務省が統計法違反の疑いで刑事告発を行うのは初めてのこととなります。
過去には、10年前の調査において、愛知県東浦町が市制移行に必要な人口5万人を満たすために人口を水増ししたとして、当時の副町長に有罪判決が確定したケースがありました。しかし、国として統計法違反で告発に踏み切った今回の事例は極めて異例な対応といえます。
国勢調査は国のあり方を映し出す重要な統計であり、その信頼性を揺るがす不正な操作は、行政運営や政策決定に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典 時事通信 朝日新聞 日テレNEWS 北國新聞 日本経済新聞 京都新聞 北日本新聞 総務省 富山市職員を県警に告発 共同通信
ピックアップ記事



