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八代市の「見えない避難者」約2000世帯、熊本地震の支援課題を整理

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2026年7月に発生した熊本地震から2か月が経過し、被災地である熊本県八代市の調査によって、約2000世帯の「見えない避難者」が存在することが報じられました。

壊れた自宅にとどまる在宅避難者や、車中泊を続ける人々など、自治体が指定した避難所以外で生活し、統計上の数字に現れにくい人々を指して「見えない避難者」と呼ばれています。実態の把握と、それに基づいた適切な支援をどう届けるかが大きな課題となっています。

目次

「見えない避難者」が抱える現状と課題

避難施設ではなく、自宅や車内で生活を続ける人々には、それぞれ避けられない事情があることが報じられています。

例えば、高齢や身体的な不自由さから指定避難所へ行くことが困難なケースや、自閉スペクトラム症などの特性を持つ子どもがいる家庭で、プライベートな空間が確保できない避難所での生活に耐えられないといった事情です。ある家庭では、子どもが走り回る環境に耐えられず、またホテルへの二次避難も本人が渋ったため、余震がない日は自宅、揺れを感じた日は車で夜を明かすという生活を続けていたと伝えられています。

しかし、こうした「見えない避難者」は、支援物資や行政サービスが十分に届かないリスクを抱えています。特に車中泊を続ける人々は、十分な睡眠が取れず体の不調を自覚していたり、エアコン使用によるガソリン消費などの経済的負担に直面したりしている現状が報じられています。

実態把握への壁と自治体の取り組み

自治体は災害関連死を防ぐため、戸別訪問などの実態把握に努めていますが、そこには物理的な限界があることが指摘されています。

八代市では、県外からの応援を含めた複数の保健師が、一人で生活する高齢者の自宅などを一軒ずつ訪問して健康状態を確認する活動を行っています。しかし、ある担当者は「訪問活動の中で、不在が3割くらいいます。その3割の方が、どこに、どういるのかという把握も、難しい現状です」と語っており、全容把握の困難さを明かしています。実際、対象となった約5400人を訪問するのに23日を要したとされており、人手と時間の確保が大きなハードルとなっています。

こうした状況に対し、以下のようなデジタルツールの活用や相談窓口の設置が進められています。

  • QRコードによる健康観察: 熊本県はホテルや旅館に避難した人々向けにコールセンターを開設し、毎朝QRコードで回答してもらう仕組みを導入しています。
  • オンラインアンケート: 八代市はホームページで健康状態に関するアンケートを実施し、居場所や生活環境、相談希望の有無を確認しています。
  • 電話相談窓口: 熊本県は車中泊をしている人を対象とした専用の相談窓口を開設しています。

真夏の被災地における深刻な健康リスク

今回の地震は真夏に発生したため、避難生活に伴う季節特有の健康リスクが顕著に現れています。医療支援を行うジャパンハートなどは、現場で見た「5つの健康リスク」として以下の点を挙げています。

  1. 脱水と熱中症: トイレの衛生状態が悪く水分摂取を控えたことによる脱水や、電気未復旧の自宅での掃除中に熱中症疑いが出るケースが見られました。
  2. 血栓のリスク: 避難生活の長期化により血栓が確認された例があり、特に車中泊者は長時間同じ姿勢になりやすいため注意が必要とされています。
  3. 不衛生な環境による化膿: 生活用水の不足から外傷部位を適切に洗えず、悪化し化膿した事例が報告されています。
  4. 食中毒のリスク: 炊き出しなどの食事を長時間自己保管したことによるリスクが指摘されています。
  5. 食事内容による血圧上昇: 配給される惣菜パンなどの高塩分な食事が中心となることで、避難者の血圧が上がる傾向が見られたとされています。

また、身体的な健康だけでなく、メンタル面の不調も深刻です。保健師の訪問を受けた被災者が「近所の人が別の場所に避難していなくなり、寂しい」と涙ながらに話した例や、夜の不安から眠れないなど、精神的に不安定になる方がいることも報じられています。

過去の教訓と今後の展望

在宅避難者の把握という課題は、過去の災害でも繰り返し指摘されてきました。熊本学園大学の高林秀明教授は、「初期の段階で十分に被災者の状況がつかめていない、必要な対応が取れていないというのが今回も10年前と同じで起きたこと」と指摘しています。

行政の力だけで全ての避難者を把握することには限界があるため、地域住民の自治会活動や民生委員と連携し、いざという時に在宅避難者や車中泊者を把握できる体制をあらかじめ構築しておくことの重要性が説かれています。

被災地では現在、体育館からホテルなどの宿泊施設へ移る「ホテル避難」の受け付けや、応急仮設住宅の建設などが進められていますが、依然として住まいの確保と、数字に表れない人々へのきめ細やかな支援が急務となっています。

出典 NHK 西日本新聞 日テレNEWS 熊本日日新聞 神奈川新聞 TBS NEWS DIG 時事通信 【熊本地震からまもなく1ヵ月】 八代市の避難所での常駐支援を継続。800件超の医療支援から見えた、真夏の避難生活「5つの健康リスク」 9月1日「防災の日」を前に、現場の医療者が伝える備え | プレスリリース | トピックス | ジャパンハート JAPAN HEART

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