原油輸送の重要な要衝であるホルムズ海峡において、コンテナ船が沈没したとの情報が相次いでいます。イラン側は、船舶が許可されていない航路を通航しようとしたために機雷に接触したと主張していますが、沈没の経緯については複数の報道間で異なる見方もあり、事態の把握が進められています。
イランによる沈没の発表と主張
イランの精鋭軍事組織である革命防衛隊は、14日、ホルムズ海峡でコンテナ船1隻が機雷に接触し、炎上した後に沈没したと明らかにしました。イランの国営テレビの報道によれば、この船舶は2500個以上のコンテナを積載しており、海峡のオマーン側を通航中に事故が起きたとのことです。
イラン側は、この船が「許可されていない危険な航路」を通航しようとしたため、事故が起きたと指摘しています。国営メディアは、多数のコンテナが海上に散らばり、船の付近から黒煙が上がる様子を伝えています。
船舶の特定と異なる報道
沈没した船舶の具体的な状況については、報道によって細部が異なります。
シンガポール海事港湾庁(MPA)は14日、シンガポール船籍のコンテナ船「GFSプライド(GFS Pride)号」が、ホルムズ海峡で正体不明の発射体による攻撃を受け、火災が発生して沈没したと発表しました。同機関は、このような攻撃は正当化できず、国際法違反であると批判しています。この事故では、乗組員21人は全員無事に避難し、負傷者はなかったとされています。
一方で、ロイター通信などは、この船舶が13日に飛翔体による攻撃を受けて沈没したと報じています。また、イランの革命防衛隊は、同船が海上機雷に衝突した後に爆発して沈没したと主張していますが、海上保安会社Marisksは、機雷が沈没の原因であるとする独立した証拠はないと反論しています。Marisksは、イランの主張について、ホルムズ海峡で恐怖を造成し、不確実性を高めて商船の運航を萎縮させようとする心理戦の一環であると分析しています。
また、同じ日に別のシンガポール船籍のコンテナ船「GFSジゼル(GFS Giselle)号」も、正体不明の発射体に被弾して船体が損傷したことが報告されています。この船舶は安全な停泊地に到着しており、乗組員に負傷者はいないと把握されています。
高まる緊張と経済への影響
ホルムズ海峡周辺では、ここ数週間で船舶への攻撃が急増しています。英国海上貿易機関(UKMTO)の報告によると、今月に入り、ホルムズ海峡からペルシャ湾、オマーン湾の一帯で20隻以上の船舶が攻撃を受けており、その大半はタンカーであったとされています。
こうした攻撃の拡大は、エネルギー輸送に直接的な影響を及ぼしています。資源データ分析企業Kplerの集計によると、12日までの1週間におけるホルムズ海峡の原油輸出量は、日量平均で850万バレルでした。これは、イランと米国との戦闘が始まる前の平時の水準と比較して、約40%減少した規模となります。
イランは、米国の海上護衛作戦によって回復傾向にあった原油輸送を遮断しようとしているのではないか、という見方もあります。米国との戦闘終結に向けた協議が停滞するなか、海峡の管理権を誇示する狙いがあるものとみられています。
出典
「ホルムズ海峡でコンテナ船沈没」イラン主張 機雷に接触・シンガポール船籍、米対抗か – 産経ニュース ホルムズでコンテナ船沈没 「違法航路」で機雷接触と主張 イラン(時事通信) – Yahoo!ニュース ホルムズ海峡で貨物船が機雷に接触 コンテナ2500個積載も炎上し沈没とイランが初報告 ホルムズ海峡でシンガポール船籍コンテナ船が被弾し沈没…乗組員21人全員救助 — BigGo ファイナンス ホルムズ海峡で貨物船が沈没 イラン再攻撃を先週協議か | NEWSjp
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