気象庁は10月9日、南米ペルー沖のエルニーニョ監視海域において、9月の海面水温が基準値(30年間の平均値)より4.0度高く、1949年の統計開始以降で最高に達したと発表しました。
これまで最も平年との差が大きかったのは1997年12月の3.6度でしたが、今回の数値を上回る結果となりました。
エルニーニョ現象とはどのような仕組みか
そもそもエルニーニョ現象とは、基準値より0.5度以上高い状態が半年以上続くことを指します。
通常、太平洋では東風が吹いていますが、この風が弱まることで、太平洋の西側にたまっていた暖かい海水が東側へ広がります。その結果、南米側では本来起きるはずの冷たい水の湧き上がりが弱まり、海面水温が上昇します。
また、基準値より2度以上高くなると、専門家の間ではスーパーエルニーニョ現象とも呼ばれます。1949年以降に発生した計19回の現象のうち、2度以上に達したのは5回のみとされており、今回の4.0度という数値は極めて異例な水準といえます。
世界各地で起きている異常気象への影響
この記録的な海面水温の上昇は、世界的な異常気象の一因になるとみられています。
中南米では深刻な影響が報じられており、干ばつの影響が農業に出ているホンジュラスや、水不足に苦しむエルサルバドルで警報が発表されました。また、チリの首都サンティアゴでは大規模な洪水が発生しており、これもエルニーニョ現象の影響である可能性があると報じられています。
地球規模での温度上昇も顕著です。アメリカ海洋大気庁(NOAA)の解析によれば、2026年8月の世界の地上・海面平均気温は20世紀の平均より1.32℃高く、1850年の統計開始以来、最も暑い8月となりました。特に北米とアフリカでは観測史上最も暑い8月を記録しています。
こうした背景には地球温暖化の影響がある可能性が指摘されており、専門家からは豪雨が起きやすくなっているとの見方が出ています。
日本への影響と今後の見通し
日本においても、この現象による影響がさまざまな形で現れています。
今夏(6〜8月)の台風発生数は、平年の11個を大きく上回る17個に達し、これが記録的な多雨につながったとみられています。これは、エルニーニョ現象時に台風発生の要因となる「偏東風波動」と呼ばれる渦の活動が強まりやすいためとされています。
また、今夏は歴代5位の暑さを記録しました。通常、エルニーニョ現象時は冷夏傾向になりますが、今回は偏西風が平年より北を流れ、広い範囲で暖かい空気に覆われやすかったことが要因とみられています。
今後の見通しについて、気象庁は基準値との差が今後も広がり、冬にかけてピークを迎えると予想しています。
今冬は熱帯域を中心に大気の温度が高くなるため、日本の気温は以下のような傾向になると見込まれています。
- 北日本:平年並みか高い
- 東日本・西日本・沖縄・奄美:高い
このような暖冬傾向が作物の生育に影響を与える懸念があることから、農業分野などで対策が進められています。
出典 NHK 日本経済新聞 日本海新聞 沖縄タイムス エルニーニョ現象、過去最高水温に|Infoseekニュース 9月にエルニーニョ現象が過去最強に 普段の冬と違い大雨や大雪など極端な現象も(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ) エルニーニョ現象、最高水温 4度高く、世界的異常気象一因(共同通信)|dメニューニュース(NTTドコモ) 8月の世界の気温は過去最高 エルニーニョ現象で海面水温が非常に高い – ウェザーニュース
ピックアップ記事



