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会計検査院が指摘、400の橋で耐震性能不足の恐れ。背景に周知不足

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災害時の救助や物資輸送に不可欠な「緊急輸送道路」などの橋において、橋脚の基礎部分の耐震性能が不足している恐れがあることが、会計検査院の調査で明らかになりました。

報道によると、国や自治体が管理する407本の橋で、橋脚1128基の耐震性能が不足している可能性があると指摘されています。この問題の背景には、耐震補強工事に伴う重量増加への配慮不足と、それを指導すべき行政側の周知不足があったとみられています。

目次

なぜ「耐震補強」で性能不足が起きるのか

今回の問題となったのは、橋脚の柱部分をコンクリートなどで固めて強度を高める「巻立て工法」による補強工事です。

この工法は柱自体の強度は向上させますが、一方で橋全体の重量が増加するという特性があります。重量が増えると、その重みを支える杭などの「基礎部分」にこれまで以上の負担がかかることになります。そのため、国土交通省は道路管理者に対し、基礎部分の強度が十分に確保されているかを確認するよう通知で求めていました。

しかし会計検査院が、2016年度から2024年度にかけてこの工法で補強を行った国道や県道などの橋496本(橋脚1350基)を調査したところ、約8割にあたる1128基において、以下のような問題が見つかりました。

  • 設計図がないなどの理由で、基礎部分の強度を確認せずに柱の補強工事を行っていた
  • 強度を確認したものの、適切に設計を変更していなかった

このように、上部(柱)を強くしたことで下部(基礎)への負荷が増えたにもかかわらず、基礎側の耐震性が十分に確認・確保されていない状況があったと報じられています。

指摘された原因と国交省の対応

会計検査院は、こうした事態に至った原因について、国土交通省が道路管理者に対して「基礎部分の強度確認の重要性」を十分に周知していなかったことを指摘しています。

この指摘を受け、国土交通省は今年3月、道路管理者に対して橋の再点検を行うよう通知しました。同省の環境安全・防災課は、「指摘を受け止め、今後は関係各所と連携を強化し、細かな点も取りこぼさず補強工事を進めていきたい」としています。

また、別の報道では、国交省が自治体などに対し、緊急度合いに応じて優先順位を決定し対応するよう求めたと伝えられています。

水道管を架ける「添架水管橋」でも同様の課題

同様に会計検査院は、橋に水道管を架ける「添架水管橋」についても耐震不足の恐れを指摘しています。

36自治体など41事業主体が2022〜23年度に築造工事を契約した74カ所を調査したところ、約7割に相当する51カ所で耐震性が確保されていない恐れがあることがわかりました。その詳細な内訳は以下の通りです。

  • 46カ所:事業主体が橋自体の耐震性を管理者に確認していなかった
  • 22事業主体の43カ所:古い耐震基準で設計された橋や、築造年数が不明な橋に水道管を架けていた
  • 6事業主体の8カ所:耐震性不足の恐れを把握しながら、経済性や早期設置を優先していた

特にこのうち16カ所は、取水・浄水施設などの「急所施設」や、病院・避難所などの「重要施設」に接続する重要ラインに該当しており、被災時に甚大な影響が生じる恐れがあったとされています。

国交省は能登半島地震を受けて重要ラインの緊急点検を行っていましたが、水道管自体に耐震適合性があれば十分と扱い、それを支える「橋」の耐震性が不足している状況を把握していなかったと報じられています。これに対し、国交省は9月に上下水道事業者へ耐震性の確認や応急対策の策定を周知し、「引き続き上下水道の地震対策をしっかりと進めたい」としています。

現状の被害状況と今後の見通し

こうした指摘が出ている一方で、国土交通省によれば、これまで基礎の強度不足が原因で橋が落下(落橋)した事例はないとされています。また、会計検査院の指摘を受けた橋においても、これまでに地震で致命的な損傷を受けた事例はないと報じられています。

基礎の耐震性が十分でない可能性があるとされる橋の一部については、確認方法が不適切であったことが理由であり、改めて適切に確認を行えば問題がないケースもあるとみられています。

しかし、緊急輸送道路は大地震後も速やかに使用できなければならないため、今後の再点検と適切な補強が急務となります。

出典 NHK 読売新聞オンライン 朝日新聞 日本経済新聞 下野新聞 緊急道路の橋、設計に問題8割 脚部の基礎、3割耐震不足か | NEWSjp

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