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NECが光通信衛星数百基の整備計画を策定、日本の経済安保を強化へ

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NEC(日本電気株式会社)が、数百基規模の光通信衛星を用いて大容量通信を実現する整備計画を策定しました。日本独自の衛星網を構築することで、経済安全保障の強化につなげる方針です。

光通信衛星による次世代ネットワークの構想

NECが計画しているのは、複数の人工衛星を軌道上で連携させ、衛星間を光通信リンクで接続することで高速かつ大容量のデータ通信を実現する「衛星コンステレーション」と呼ばれる仕組みです。

光通信衛星は、従来の電波を用いる通信衛星に比べ、同じ時間内に大容量のデータを送受信できるほか、傍受されにくいという特長を持っています。具体的には、レーザー光を用いて衛星同士や衛星と地上局の間で情報をやりとりします。

NECによると、この光通信衛星は複数の打ち上げを通じて段階的に数を増やし、高度約1000キロメートルで運用される予定です。既存の日本の衛星コンステレーションは通信目的以外を含めても十数基規模にとどまっていますが、同社は数百基規模の運用を目指しており、さらなる拡大も視野に入れています。また、電波通信の機能も備えるため、総務省を通じて国際電気通信連合(ITU)に約1300基分の計画を申請しています。

2027年度に技術実証衛星を打ち上げへ

この計画の実現に向け、NECは日本初の光通信衛星コンステレーションに向けた技術実証衛星の搭載機器(ペイロード)の設計を完了したと発表しました。この実証衛星は2027年度に打ち上げられる予定で、地球周回軌道上で要素技術の実証が行われます。

実証衛星では、主に以下の3つのポイントが検証される見通しです。

  1. 民生用光通信機器の耐放射線設計の評価

多数の衛星を連携させるコンステレーションでは、高性能かつ安価な機器が求められます。そこで、地上で既に使用されている安価な民生用光通信機器が、宇宙環境下の放射線にどれだけ耐えられるかを評価します。

  1. 高速ネットワークルーティング処理の実証

低遅延・大容量通信を実現するためには、通信経路をリアルタイムで最適化する高速ルーティング技術が不可欠です。本実証では、米AMD製の高性能信号処理デバイス「アダプティブSoC Versal」の動作確認が行われます。あわせて、生成AIと衛星開発の知見を組み合わせたアプリケーション開発の効率化についても検証される予定です。

  1. ミリ波帯通信の動作実証

光通信とは別に、より高い周波数帯であるミリ波帯(Q/Vバンド)の送受信機器を搭載し、地上局との通信試験を通じて電波の伝搬特性データを取得します。

なお、衛星の共通機能部分である「バス」には、宇宙空間での運用実績があり量産体制が整っている米Apex Technology社の「Aries」が採用されます。既存の衛星バスを利用し、自社開発のミッション機器を搭載することで、開発期間の短縮とリスク低減を図る狙いがあるようです。

背景にあるデータ需要の増大と経済安全保障

こうした動きの背景には、動画配信やクラウドサービス、生成AIの普及に伴い、世界的にデータ通信量が指数関数的に増加している現状があります。特にAI関連のデータ転送やリアルタイム処理の需要は、従来の想定を上回るペースで拡大しているとされています。

また、地上インフラでは海上、航空、山間部、あるいは災害時などに安定した通信を提供することが難しいという構造的な課題があります。低軌道衛星コンステレーションは、これら地上インフラの制約を克服し、地球全体をカバーできる手段として注目されています。

世界的には、米スペースX社が1万基規模の「スターリンク」を運用しており、ウクライナ戦争では無人機操作に活用されるなど、戦況を左右するほどの存在感を示しました。これを受けて中露や欧州も独自の衛星網構築を目指しており、通信インフラの支配構造や経済安全保障の観点から、日本が独自のネットワークを持つことの重要性が高まっています。

通信品質の向上に向けた新技術の開発

NECは、宇宙ネットワークの課題である「通信中の瞬断」や「再接続の遅さ」を解消するためのネットワーク制御技術も開発しています。

低軌道(LEO)衛星は地上との距離が近く低遅延である一方、衛星が高速で移動するため、接続先を切り替える「ハンドオーバー」が頻繁に発生し、それが遅延変動や瞬断の原因となっていました。NECが開発した経路制御技術を用いることで、データ転送遅延を従来比で半減させ、遅延変動を従来の1/30に抑制することが可能になると報じられています。

これらの技術は、Beyond 5Gや6G時代に想定される「非地上系ネットワーク(NTN)」、つまり衛星や成層圏プラットフォームを利用したモバイルネットワークの構築に寄与するものと期待されています。具体的には、車両や船舶の遠隔操作、災害時の状況把握など、ミッションクリティカルな用途での活用が見込まれています。

政府は、宇宙開発を支援する「宇宙戦略基金」や「経済安全保障重要技術育成プログラム」を通じてNECを支援しており、海外に依存しない日本独自の衛星網構築による経済安全保障の強化が急がれています。

出典 読売新聞オンライン 日本経済新聞 NEC、日本初の光通信衛星コンステレーションに向けた実証衛星を2027年に打上げへ | SPACE CONNECT NEC、光通信衛星コンステレーション構築に向けたネットワーク制御技術を新たに開発 | 日本電気株式会社のプレスリリース NEC、LEO衛星×光リンク|光通信衛星コンステレーション向けネットワーク制御技術を開発 NEC、軌道上のメッシュネットワーク実現に向けた実証衛星開発 27年度に打ち上げ予定 – ケータイ Watch NECが新たなネットワーク制御技術を開発 – 光衛星通信コンステレーション構築を後押し | TECH+(テックプラス) NEC、技術実証衛星搭載機器の設計完了 | 電波タイムズ | 日本唯一の放送・情報通信の専門紙の電波タイムズのニュースサイト

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