ネパールと中国の国境地帯で大規模な土石流が発生してから、2026年9月26日で1か月が経過しました。この災害では、両国合わせて1496人が犠牲となり、日本人家族5人を含む6000人超(報道により5000人以上から6000人超まで幅がある)の行方が依然として分かっていないと報じられています。
発生から1か月が経った今も、現地では深刻な状況が続いています。
捜索活動の現状と厳しい判断
甚大な被害が出た現場では、生存者の発見が絶望的であるとの判断から、ネパール政府による捜索活動の打ち切りが検討され始めています。
特に大きな被害を受けたのが水力発電所でした。完工直前に被災した発電所では作業員ら40人が行方不明となっており、運営会社のラム・ブハラさんは「現在は軍も現場作業から引き揚げています。トンネル内に誰もいないと確認されたためです。当社としても捜索活動は終了しています」と語り、共に働いてきた仲間を失った苦悩を明かしています。
また、遺体の多くが傷んでいるため身元確認に時間がかかっており、一部の家族は行方不明者のまま葬儀を済ませている状況にあると伝えられています。
被災地の惨状と避難生活の長期化
ネパール中部のヌワコット郡ビドゥールなどの地域では、今も街が泥に覆われ、壊れた建物が放置されたままとなっています。住民からは「苦労して建てたのに、家も店も全部、洪水の被害に遭ってなくなってしまった」といった悲痛な声が上がっており、政府による救援を願う状況が続いています。
避難状況についても、被災者は9万人に上り、いまだ4000人近くが仮設テントなどで避難生活を余儀なくされています。特に3万2000人を超える子どもたちへの支援が急務とされています。
医療アクセスと心のケアの課題
現地で支援にあたる看護師の川瀬佐知子さんは、オンライン会見を通じて、感染症への対応や孤立地域での医療アクセス向上の必要性を訴えています。
ヌワコット郡では病院近くの橋が流された影響で、対岸から渡るのに7時間ほどかかる場所があるといいます。ネパール赤十字社が設置した仮設診療所で基本的な医療サービスが提供されていますが、川瀬さんは長期的な「心のケア必要」であると指摘しています。
災害の背景と今後の見通し
今回の未曾有の被害を招いた要因について、WWAは、2015年に発生した大地震の影響や地球温暖化、永久凍土の融解、高地での降雨量増加などを挙げています。気候変動が地質の不安定化に作用した可能性が高いと結論付けられています。
また、警報体制にも課題があったと報じられています。ネパール水文気象局によると、想定外の規模の洪水で川のセンサーが流されてしまったことが確認の遅れにつながったとしており、政府の警報担当者は「情報を十分に伝えられなかったことを非常に残念に思っています」と述べています。
今後の復興に向けて、ネパール政府は被害が大きかった川沿いの住民の高台移住を計画しており、被災地域での住宅建築禁止も検討されています。
経済的な打撃も甚大で、ネパール政府は被害総額を約26億9500万ドル(約4260億円)、復旧・復興に必要な費用を約47億7500万ドル(約7550億円)と試算しています。また、国の基幹産業である観光業においても、宿泊のキャンセルが相次ぐなどの影響が出ています。
日本国内からは、地盤工学を専門とする愛媛大学の研究者が、被害の実態を調査するために現地を訪れる予定であると報じられています。
出典 TBS NEWS DIG NHK 朝日新聞 日テレNEWS テレビ朝日 読売新聞オンライン 時事通信 東京新聞 ネパール土石流から1カ月 発電所幹部「捜索打ち切り」の苦悩 – Quebee キュエビー 「妻の手をつかんで逃げたが流され…」土石流に引き裂かれた夫婦 発生1か月 なお5000人以上が行方不明 “世界への警告”ネパール首相の訴え【news23】(TBS NEWS DIG Powered by JNN)
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