ドイツの北東部および首都ベルリンで行われた州議会選挙において、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、フリードリヒ・メルツ首相が党首を務める中道右派の与党「キリスト教民主同盟(CDU)」が歴史的な惨敗を喫したことが報じられています。
特に北東部のメクレンブルク・フォアポンメルン州では、AfDが第1党となり、対照的にメルツ首相率いるCDUは議席をひとつも獲得できないという極めて厳しい結果となりました。
選挙結果の具体的内容と「歴史的惨敗」の衝撃
20日に投開票が行われたメクレンブルク・フォアポンメルン州の議会選挙では、AfDが得票率38.2%を記録し、前回から18議席を増やして32議席を獲得したと報じられています。これにより、AfDは同州で第1党となりました。
一方で、メルツ首相率いるCDUの得票率は4.9%にとどまり、議席獲得に必要な下限である5%を下回ったため、前回獲得していた12議席をすべて失い、議席ゼロという結果に終わったと伝えられています。
ドイツのメディアによれば、CDUが州議会選挙で得票率10%を下回ったのは、75年前の1951年に北部ブレーメン州で9%を記録した際の一度しかなく、今回の結果は過去最悪のものとなりました。
また、同日に選挙が行われた首都ベルリンでは、左派党が26%の得票率で第1党になると予測されています。ベルリンにおけるAfDの得票率は13.5%で4位になるとみられていますが、2023年の前回選挙時の9.1%から上昇しており、国際色豊かな首都でも右派勢力が支持を広げている兆候として注目されています。
旧東独州で繰り返される極右の躍進
AfDが州議会選で第1党となったのは、2年前のチューリンゲン州、そして今月上旬のザクセン・アンハルト州に続き、今回のメクレンブルク・フォアポンメルン州で3州目となります。AfDは旧東ドイツ地域を足がかりに支持を広げ、地盤を固めている状況にあるとみられます。
AfDは「自国第一」を掲げ、欧州連合(EU)への批判的な姿勢を強調するポピュリスト政党として知られています。今回の躍進の背景には、既存の保守層だけでなく、他の政党の支持層や棄権していた有権者の取り込みがあったと分析されています。
有権者移動の分析によると、メクレンブルク・フォアポンメルン州では、2021年の直前選挙と比較して、AfDに社会民主党(SPD)から4万8000票、CDUから3万2000票が純流入したと推定されています。
こうした現象は単純な「右傾化」だけではなく、物価高や住宅難、産業の停滞といった生活上の不満が、主流派政党への強い反発として現れた結果であると報じられています。
メルツ首相の現状と今後の政権運営
就任から1年4ヵ月が経過したメルツ首相は、今回の結果を「大惨事だ」「惨敗」と表現しています。また、「結果を取り繕うことはできない」としつつ、「CDUは懸命に戦ったが、最終的には中道左派の社会民主党(SPD)とAfDの二極化の中で、押しつぶされた」と述べたと伝えられています。
この歴史的な敗北を受け、党内外からはメルツ首相の指導力に対する疑念や辞任を求める圧力が高まっているとみられます。しかし、メルツ首相は投票締め切り後の声明で、「今必要なのは不屈の精神と忍耐だ」と述べ、首相職およびCDU党首としての続投を明言しました。
また、メルツ首相はドイツの経済問題や深まる分断に対処するための改革の必要性を語っており、「改革は必ずなされなければならない」「今しなければならないことには度胸と確固さ、忍耐が必要だ」と強調するなど、強気の姿勢を崩していません。
党内では後任候補が定まっていないため、「メルツ降ろし」を決定づける決定打を欠いている状況にあると報じられています。
出典 時事通信 CNN 朝日新聞 TBS NEWS DIG 東洋経済オンライン ドイツのフリードリヒ·メルツ首相が率いる連立政権が、この2週間行われた地方選挙で、極右ドイツ代案党(AfD)に相次いで敗北し、就任1年4ヵ月でメルツ首相のリーダーシップが最大の危機に直面した。 経済難.. – MK
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